『せせらぎの迷宮』
『せせらぎの迷宮』 (ハルキ文庫)
著:青井夏海
大学図書館に勤める斎藤史は、小学校の同級生の大村生夫に呼び出され、二十年ぶりに再会することになった。担任だった杉本先生が定年を迎えるにあたり、かつてクラスで作成した文集を揃えて贈ろうというのだ。だが、肝心の文集が見当たらない。途方にくれ、かつてのクラスメイトたちに連絡を取り始めるのだが、文集の存在は彼女たちの記憶からも消えていた-。当時の思い出と記憶をたどり、史は消えてしまった文集の謎を追うが…。 (裏表紙より)
内容はまさに裏表紙に書いてあるとおりである。
構成は主人公の史が文集を探す現在と、小学生時代の回想が交互に書かれている。
グループをつくること、秘密をつくること、いい子を演じることと本音、些細なことに一喜一憂すること、小学校の高学年の女の子ってたしかにこんな感じかもしれない。
謎自体はそれほど難しいものではないが、昔何があったのか気になるような書き方がしてあり、どんどんと先を読みたくなる。またその謎が解けたあとも史がどのような行動にでるのか、結末はどうなるのかというところまで楽しめた。
読後感は、少し苦いものが残りながらもあったかい気持ちになれるものであった。
自分の小学生時代を思い出しながら読んでみてはどうだろうか。
amazonで見る/
bk1で見る/
7&Yで見る/
楽天booksで見る
青井夏海 トラックバック:0 コメント:6
コミュニティ( 本・雑誌
| 推理小説・ミステリー )
『ぬしさまへ』
『ぬしさまへ』 (新潮文庫)
著:畠中恵
『しゃばけ』に続く、シリーズ2作目。
前作は長編だったが、今作は6つの話からなる連作短編である。
主人公はもちろん、体調を崩しては寝込んでばかりいる若旦那の一太郎であり、今作でも十二分に活躍する。
しかし、他にも、「空のビードロ」では、前作で若旦那が奮闘しているときに松之助に何が起こっていたのか、何をしていたのかということが描かれていたり、「仁吉の思い人」ではタイトルのとおり手代の仁吉とその思い人との話が書かれていたりと、バラエティーに富んだ一冊となっている。
「虹を見し事」という6つ目の短編では、一太郎が幼馴染みの栄吉のいる隣の菓子屋三春屋にこっそりと出かけて帰ってくると、いつもは其処彼処にいるはずの妖怪たちの姿がない。それから一太郎には、夢なのか現実なのかわからない不思議なことがおこる。
6つの短編の中で印象的だったのは上にあげた2つであったが、この「虹を見し事」がストーリーとしては一番好きである。この話は、読み終えたときとても切ない気持ちになってしまった。それとともに一太郎がこれからどんどんと成長していき、恋をするような話が描かれるのではないだろうかという期待もさせてくれた。
思わず続編にも期待が膨らんでしまう。
amazonで見る/
bk1で見る/
7&Yで見る/
楽天booksで見る
(関連書籍)
『しゃばけ』著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第1弾
→
レビュー
『ねこのばば』著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第3弾
『おまけのこ』著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第4弾
『うそうそ』著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第5弾
『ちんぷんかんぷん』著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ第6弾
『いっちばん』著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ第7弾
『みぃつけた』著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ番外編
畠中恵 トラックバック:0 コメント:0
コミュニティ( 本・雑誌
| ファンタジー小説 )
『はなのおはなし』
『はなのおはなし』 (ベストセラーズ)
著:はな
毎日中学生新聞に連載されていた「はなははな」に加筆して出版された、はなの初エッセイ。
現在、たくさんのエッセイなどを出しているが、その原点である。
今と変わらず、とても読みやすい文章で、写真やかわいらしい絵もたくさん、そんなところでもはなははなだと感じさせてくれる。
出版されたのが1999年なのでちょっと古い内容もあるけど、とても楽しめる♪
映画の話、弟のこと、髪型の話、旅の話などなど、日常のいろいろなことをはなの目線でかいていて、自分もはなを見習って自分らしく生活したいななんて気持ちにしてくれる。
ちなみに今手元にあるこの本にははなの直筆サインが入っている♪
amazonで見る/
bk1で見る/
7&Yで見る/
楽天booksで見る
はな トラックバック:0 コメント:0
コミュニティ( 本・雑誌
| エッセイ )
『アヒルと鴨のコインロッカー』
『アヒルと鴨のコインロッカー』 (創元推理文庫)
著:伊坂幸太郎
現在と2年前の話が交互に書かれており、「現在」は椎名という大学の新入生の目線で、「2年前」はペットショップでバイトをしている琴美という女性の目線で書かれている。
「現在」では、椎名は引っ越しそうそう隣人の河崎という男に広辞苑を奪うために「一緒に本屋を襲わないか」と誘われる。そして、その二日後には本屋を襲うことになるのである。
「2年前」では、琴美の住む市内でペット殺しが多発しており、琴美はその犯人かもしれない3人組と遭遇してしまう。
読み進めていくと、「現在」と「2年前」が徐々につながっていき、さまざまな謎が徐々に解き明かされていく。
椎名が本屋を襲いにいくことや、琴美がドルジといくブータンからの留学生を初対面でアパートに連れていくところなど多少アリティーにかけるなと思う部分もあるが、その強引さもフィクションならではのよさなのかもしれない。
動物虐待のことについて話しているところのペットや野良猫の殺し方が無惨で、想像するだけでもぞっとする。しかし、一番はじめに以下のようなページがあるところはおもしろいと思う。
No animal was harmed in the making of this film.
(この映画の製作において、動物に危害は加えられていません)
映画のエンドクレジットによく見られる但し書き
ひとつ大きな仕掛けがあり、まったく気づいていなかったので驚かされた。
そして、その仕掛けに笹生陽子の
『楽園のつくりかた』を思い起こした。
全体的に軽快な文章で、また飽きさせずどんどんと読み進めることができる。
第25回吉川英治文学新人賞をとった作品であるが、確かに著者の才能を感じさせる一冊である。
amazonで見る/
bk1で見る/
7&Yで見る/
楽天booksで見る
伊坂幸太郎 トラックバック:0 コメント:2
コミュニティ( 本・雑誌
| 推理小説・ミステリー )
『てるてるあした』
『てるてるあした』 (幻冬舎文庫)
著:加納朋子
親の夜逃げのため、ひとり「佐々良」という町を訪れた中学生の照代。そこで彼女が一緒に暮らすことになったのは、おせっかいなお婆さん、久代だった。久代は口うるさく家事や作法を教えるが、わがまま放題の照代は心を開かない。そんなある日、彼女の元に差出人不明のメールが届き始める。その謎が解ける時、照代を包む温かい真実が明らかになる。 (裏表紙より)
そう、佐々良という町とはあの
『ささら さや』の佐々良であり、久代もあの久代である。本作は
『ささら さや』の姉妹編(続編というべきか…)なのだ。もちろん
『ささら さや』で主人公であったサヤをはじめ、エリカやユウ坊やほかのおばあちゃんたちも登場する。
なので、もし
『ささら さや』を未読ならばそちらから読むことをおすすめする。
主人公である照代は久代とのやりとりや佐々良の町の住人たちとの出会いの中で、多くの心情の変化を見せ、成長していく。その姿は嬉しいような、心地よいような、清々しいような、うまく表現できないのだが好ましさがある。また結末も胸にぐっとくるものがあった。やさしさ、あたたかさのつまった物語である。
(いいなと思った記事)●
「てるてるあした」加納朋子 (本を読む女。改訂版)
…… 主人公に寄り添ったコメントが好感的だった。amazonで見る/
bk1で見る/
7&Yで見る/
楽天booksで見る
(関連書籍)
『ささら さや』著:加納朋子 (幻冬舎文庫)
→
レビュー
加納朋子 トラックバック:0 コメント:0
『影の縫製機』
『影の縫製機』 - 詩集 -
著:ミヒャエル・エンデ 訳:酒寄進一 (長崎出版)
最初は装丁が綺麗だなと思って何気なく手にとり、著者があのミヒャエル・エンデということでさらに興味を引かれて読んだ一冊。
訳書なので原文を読むとまた印象が違うかもしれないが、淡々とした心地よいリズムのなかに茶目っ気がたっぷりだと感じた。
ユーモラスでクスッと笑わせたかと思うと、シリアスにしんみりさせたり、とっても楽しませてくれる。
また、ビネッテ・シュレーダーの絵も独特の存在感を放っており、詩に負けず主張してくる。
その主張が詩とうまく調和しているから不思議である。
もし絵がなければエンデの詩がまた違った輝き方をしていたかもしれないなとも思うが、この絵があるからこその素晴らしい一つの作品として仕上がっているのだろう。
この詩集のなかで一番気になった詩、「綱渡り」の一節を引用するので、少しでも雰囲気を味わってもらえればと思う。
「綱渡り」
そのむかし ひとりの綱渡りがいた
なまえはフェリックス・フリーゲンバイル
だれもがみとめる
不世出の綱渡り
だいじなのは 金じゃない
人気を博すためでもない
名声にもまるで 興味なし
フェリックスは芸ひとすじだった
amazonで見る/
bk1で見る/
7&Yで見る/
楽天booksで見る
ミヒャエル・エンデ トラックバック:0 コメント:0
コミュニティ( 本・雑誌
| 詩集 )
『しゃばけ』
『しゃばけ』 (新潮文庫)
著:畠中恵
江戸でも有数の廻船問屋長崎屋の一人息子一太郎、彼がこの本の主人公である。
一太郎は体が弱く、いつも寝込んでいる。そして両親や手代だちは一太郎をとても大切にし、甘く甘く見守っている。
甘すぎるが故に、一太郎は外出さえなかなかできず、周囲は寝ていることをよしとし、一太郎はあまり自由に動き回ることができない。
しかし一太郎には普通の人とは違う力があった。
それは妖怪が見えることだ。そのため、一太郎の周りには妖怪がいっぱい。
家の中には鳴家という小鬼が走り回り、屏風からは付喪神の屏風のぞきが現れる。そして手代の二人も犬神と白沢という妖怪なのだ。
この物語は、そんな一太郎がある晩こっそりと出かけた帰り道からはじまる。
帰り道、一太郎はなんと人殺しを目撃してしまう。その犯人に追いかけられるものの、付喪神の鈴彦姫の助けもあってなんとか逃げきる。
しかし、暗闇のなかではあったが一太郎の顔は犯人に見られているかもしれず、また一太郎が見たときにはつながっていたはずの死体の首が、次の日に聞いた話では切り落とされていたという。
どうも気になるところが多い事件、一太郎はどのような行動をとるのか・・・。
時代もののファンタジーでありまたミステリでもある本書、とても読みやすく、物語に入っていきやすい。
また妖怪がでてくるのに、ほのぼのとした雰囲気でまさに柴田ゆうの表紙や挿絵のような感じである。
気楽に手に取ることができ、大人から子どもまで幅広く楽しむことのできる本だ。
amazonで見る/
bk1で見る/
7&Yで見る/
楽天booksで見る
(関連書籍)
『ぬしさまへ』著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第2弾
→
レビュー
『ねこのばば』著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第3弾
『おまけのこ』著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第4弾
『うそうそ』著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第5弾
『ちんぷんかんぷん』著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ第6弾
『いっちばん』著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ第7弾
『みぃつけた』著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ番外編
畠中恵 トラックバック:0 コメント:0
コミュニティ( 本・雑誌
| ファンタジー小説 )
⇒ わたしは忍者 (07/04)
⇒ くまさん (06/29)
⇒ もひかん (06/26)
⇒ 祖ちン (06/25)
⇒ 藍色 (06/19)
⇒ 前世もギャンブラー (06/12)
⇒ 木下優樹菜 藤本 優樹菜昇天顔にほれぼれ♪♪ (06/11)
⇒ 大葉 もみじ (04/26)
⇒ ぴーち (04/25)
⇒ 大葉 もみじ (04/25)
⇒ 藍色 (04/24)
⇒ 大葉 もみじ (04/05)
⇒ ぴーち (04/04)