もみじの本屋 ●マンガ

『ARIA』

『ARIA』 BLADE COMICS (マッグガーデン)
著:天野こずえ

女性が唯一ゴンドラをこぐことができる職業ウンディーネ(水先案内人)になるために惑星アクアへ来た灯里。シングル(半人前)からプリマ(一人前)になるべくARIAカンパニーのアリシアさんのもと修行中。
さまざまな人と出会い、いろいろな素敵体験をしながら今日もゴンドラを漕ぐ。灯里の光り輝く日常の話である。灯里とともにまったりとした時間の流れを感じてみてほしい。
一巻一季節で物語は進んでいくので、本を読むことで四季を意識できるのが、また素敵なところだ。
物語は『AQUA』からの続きなので、そちらを読んでから『ARIA』を読んだ方が物語や登場人物についてわかりやすいかもしれない。


ARIA1巻『ARIA』1巻
『AQUA』にでてきた登場人物がひととおり登場する。新しいキャラとしてはサラマンダー(火炎之番人)暁さんのお兄さんだけど、今回はちょい役である。
話は「ゴンドラの掃除」、「ため息橋の前での待ち合わせ」、「ゴンドラのマラソン大会‘ヴォガ・ロンガ’」などなど。
この巻ではネオヴェネツィアは落ち葉舞う季節。さり気ない一コマの舞い散る葉っぱも楽しみながら読んでみてほしい。
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コミュニティ( アニメ・コミック | オススメ!

『円棺惑星』

円棺惑星『円棺惑星』 (朝日ソノラマ)
著:ますむらひろし

ますむらひろしの作品ではあるが、主人公は猫ではない。
基本的には「眠れぬ夜の奇妙な話」に掲載された短編集であり、大半は話は受羅という青年が主人公として登場する。
この受羅は何か特別な力を持っているのだが、なぜなのかは謎のままである。

内容は、マネキン(植物性人間)が三日月の晩に人間の耳を食べるという話、細胞の増殖する毒キノコを食べさせられた男の話、バレンタインの日に腹部を奇妙な形にえぐる殺人鬼の話などなど、なかなかハードである。

ちなみにタイトルの「円棺惑星」というのは「棺の巣」という話からきていると思われるが、表紙の絵は富豪が葬られている棺である。富豪は資金協力と引きかえに宇宙空間に葬られるのだそうだ。

アタゴオルなどよりも少しダークな内容ではあるが、根幹の部分には同質のものが感じられる。
ますむらひろし独特の世界どっぷりと浸れる作品である。


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『ヨコハマ買い出し紀行』

『ヨコハマ買い出し紀行』 アフタヌーンKC (講談社)
著:芦奈野ひとし

カフェを営みながら暮らすアルファさんをはじめ、夕凪の時代に生きる人たちの物語。日常のささやかな出来事や、ゆるやかに移りゆく景色なんかを楽しめるマンガだ。きっとスクーターやバイクに乗りたくなったり、自分なりのお気に入りのカフェを探しに行きたくなるだろう。コーヒー片手に読んでみてはいかがだろうか。


ヨコハマ1巻『ヨコハマ買い出し紀行』1巻
「お祭りのようだった世の中がゆっくりとおちついてきたあのころ。のちに夕凪の時代と呼ばれるてろてろの時間、ご案内。」
物語は第1話の前、アルファさんが横浜に買い出しに行くところから始まる。
この巻ではアルファさんの月琴を弾く姿や夢のような舞がみられる。また1巻なので当然なのだが、タカヒロとミサゴが出会ったり、ココネが宅配に来たり、多くの主要な人物が登場するので、まずはこの巻を読んでみてほしい。
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『猫楠 南方熊楠の生涯』

猫楠『猫楠 南方熊楠の生涯』 - マンガ -
著:水木しげる (角川ソフィア文庫)

南方熊楠とは日本が国際化とはまだ程遠かった明治時代中頃に英国に渡り、『ネイチャー』誌に論文を寄稿、大英博物館の嘱託となり、孫文と親交を深めるなど大活躍をした人である。
帰国後も民俗学や粘菌学の研究などを行いつつ、神社合祀令に反対し熊野の森を守る運動の中心となるなど、時代の先を行く活動で周囲を、いや世間を驚かせた。

柳田國男、孫文、木村駿吉、徳川候、天皇陛下、彼に惹きつけられた人物を列挙してみるだけでも彼のすごさがわかるだろう。

本書によると彼は18ヶ国語を話せたそうだ。
それだけではなく猫語や幽霊語も理解でき話せたそうだ。少々信じ難い面もあるが、それが事実だとしたら、頭ではなくもっと感覚的なものも優れていたということなのだろうか。

水木しげるが南方熊楠という人物に興味をもったのは、熊楠が妖怪や幽霊などと関係が深いからというのが理由からかもしれないが、無意識のうちに妖怪研究をする者として、本能的に南方熊楠自身が妖怪であったと感じたのかもしれない。

基本的に史実に則って書かれており、どこからが水木しげる流の脚色かというところがわからないところがまたおもしろい。


(関連書籍)
『南方熊楠 森羅万象を見つめた少年』 著:飯倉照平 (岩波ジュニア新書)
『南方熊楠の森』 著:松居竜五、岩崎仁 (方丈堂出版)




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『銀河鉄道の夜 ※最終形 ※初期形[ブルカニロ博士篇]』

銀河鉄道の夜『銀河鉄道の夜 ※最終形 ※初期形[ブルカニロ博士篇]』(ますむら版宮沢賢治童話集)
著:ますむらひろし 原作:宮沢賢治 (偕成社)

この本はますむらひろし独特のあの猫の絵で描かれる「銀河鉄道の夜」のマンガである。それも最終形(第四稿)と初期形(初期形三 - 第三稿)の両方が描かれている。
マンガといっても原作に忠実にそして細やかに会話や場面設定などがされているので、「銀河鉄道の夜」の世界観を崩さずに物語を楽しむことができるだろう。

気になるのはやはり初期形である。ますむらひろしは「ブルカニロ博士篇」と名付けているが、これを読むことによって、いま一般に知られている「銀河鉄道の夜」の意味のわからなかった部分が少なからず理解できる。
ブロカニロ博士の言葉、最終形では削られてしまった部分を読むことで、見えてくる部分があるのだ。
そして、あとがきでますむらひろしが書いている言葉を借りると、「賢治の抱えた『科学と心』の入り交じった視線の風景」というものを垣間見ることができる。


(関連書籍)
『イーハトーブ乱入記』 著:ますむらひろし (ちくま新書)

カイロ団長 洞熊学校を卒業した三人『カイロ団長 洞熊学校を卒業した三人』
(ますむら版宮沢賢治童話集)
著:ますむらひろし 原作:宮沢賢治 (偕成社)

『グスコーブドリの伝記―猫の事務所・どんぐりと山猫』
著:ますむらひろし 原作:宮沢賢治 (扶桑社文庫)
『風の又三郎―雪渡り・十力の金剛石』
著:ますむらひろし 原作:宮沢賢治 (扶桑社文庫)




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