『配達あかずきん 成風堂書店事件メモ』
『配達あかずきん 成風堂書店事件メモ』 (東京創元社)
著:大崎梢
「……誰が、どうやって仕組んだのか、この謎だけは解いてみせて」
「わかりました。本屋の謎は本屋が解かなきゃ、ですね。任せてください」(「配達あかずきん」より)
駅ビルの6階にある書店、成風堂。この書店で働いている杏子と多絵が、お客さんのもちこんでくる、あるいは書店で起こるさまざまな謎を解いていく。
「パンダは囁く」―― 老人が近所に住む男性に買ってきてほしいとリクエストした本はわけのわからない暗号のような言葉だった。
「標野にて 君が袖振る」――コミック‘あさきゆめみし’を購入後、電話で娘に20年前の息子のひき逃げ事件について気がついたことがあると話し、失踪した女性の行方は。
「配達あかずきん」――美容院‘ノエル’に配達した雑誌に挟まれていた盗撮写真。いったい誰が写真を挟んだのか。
「六冊目のメッセージ」――入院中の女性にその母親から頼まれて本を選んであげた書店員。しかし後日確認すると該当する書店員はいなかった。
「ディスプレイ・リプレイ」――成風堂のバイト、夕紀とその友人たちがディスプレイしたコミックコーナーが荒らされた。誰が何のために‥。
もちろんストーリーもよいのだけど、それ以前に本屋が舞台であるということだけでも読んでいて楽しい。それもかなり丁寧に本屋の内側が描かれている。
はじめに杏子が、なんとも頼りないヒントだけで、お客さんの探している本を言い当てる。その様はまさに探偵のようだった。しかし、このようなことは本屋では日常に起きているのだ。それは最後に掲載されている書店人の対談からもうかがえる。
またそこかしこにいろいろな本の名前がでてきて、本好きの心をくすぐる。
ミステリ好きにもおすすめしたいが、それだけでなく本好きの人ならきっと楽しめると思える一冊である。
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(関連書籍)
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