『はじめての夜 二度目の夜 最後の夜』
『はじめての夜 二度目の夜 最後の夜』 (集英社文庫)
著:村上龍
主人公のヤザキケンのもとに初恋の女性から一本の電話がかかってきた。電話の内容は話があるから会いたいというもの。そしてハウステンボスのエリタージュというレストランで食事をしようということになった。
初恋の女性はアオキミチコという中学の同級生。会って話をするたびに会話の内容やヤザキの思考は中学時代と現在を往き来し、それは「長い歳月を経て若さを失い、引きずるものが増えた二人」と「中学時代独特の輝きを放つ記憶」が登場する料理のように絡み合う。
それぞれの夜は、料理名のタイトルがつけられたパートに分けられており、そのはじめの部分に料理名とその料理の説明が添えられている。これがまた、とても美味しそうで、読んでいるだけでお腹が減ってくる。こういうこだわりはやはり村上龍である。
しかし村上龍の作品としてはとてもさらっとしたものである。最後の解説で村山由佳が
「もしかすると、村上氏の作品群のうち『コインロッカー・ベイビーズ』や『愛と幻想のファシズム』などを好む人は、この作品を手に取らないかもしれない。あるいは『限りなく透明に近いブルー』や『トパーズ』『ピアッシング』などを好む人は、これを甘いというかもしれない。」と評しているが、買うときの参考になるのではないだろうか。
個人的には、村上龍の作品のなかで、とても好きな作品である。
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