もみじの本屋   星新一

『ブランコのむこうで』

ブランコのむこうで『ブランコのむこうで』 (新潮文庫)
著:星新一

著者の色のでた素敵な(そんなに長くない)長編SFファンタジー。第一文の
「その日は朝おきた時から、なにかが起こりそうな感じがしていた。」
からすでに、「なにか起きるんだな、なにが起きるんだろう」という思いで物語に引き込まれた。
その日、‘もうひとりのぼく'と出会う。そしてある場所を旅していくことになる。

すこし古い作品なので言い回しなど気になる人もいるかもしれないが、著者の本を何冊か読んだことのあるひとならそれほど問題はないだろう。
童話のような感覚でさくさく読み進めていけるが、ところどころに考えさせられる内容も散りばめられており、なかなか奥が深い。
個人的に印象に残っている話は「ほほえみ」と「道」。「ほほえみ」は好みの雰囲気の話で面白かった。「道」は今の自分と重ね合わせる部分があったので。
ショートショートが好きな星新一ファンの人も、ショートショートはちょっと苦手だけど星新一の本を読んでみたいという人にもおすすめの一冊である。




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『どんぐり民話館』

どんぐり民話館『どんぐり民話館』 (新潮文庫)
著:星新一

タイトルからもイメージできるように、民話風の話が多々散りばめられている。たとえば「小さなお堂」、「音色」、「旅の人」など。
民話や昔話などは不思議なもので、はじめて聞いたり読んだりしたものでも、どこかで聞いたことがあるような、またどこか懐かしいような不思議な感覚になる。星新一の作品も例外ではない。
もともと民話・昔話とは教訓話も多いのだが、しかし、そこに星新一流の独特の風刺や人生訓なども巧みに内包させている。
この本はショートショート1001編達成の記念の作品集でもある。




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『未来いそっぷ』

『未来いそっぷ』 (新潮文庫)
著:星新一



最初の15ページほどに「イソップ村の繁栄」というタイトルで“アリとキリギリス”や“北風と太陽”などが書かれているのだが、星新一らしくもちろん風刺のきいたイソップ童話である。最後に一文程度の教訓も書かれていて、おもしろい。

そのあとに続く32編のショート・ショートも興味深い。個人的には「ある夜の物語」というタイトルの、クリスマスの話がすごく好きである。絵本にしてみてもよさそうな話だ。




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