もみじの本屋   村山由佳

『約束』

約束『約束』 (集英社)
文:村山由佳 絵:はまのゆか

この本の主人公はいつも空想、夢想をしている小学生のワタル。
ワタルには3人の親友がいた。ヤンチャにハム太にノリオ。
遊ぶときはもちろん、叱られる時も4人はいつも一緒だった。

あるとき、ヤンチャが原因不明の病気で入院してしまう。
それから3人はヤンチャのお見舞いに行くようになる。
3人がタイムマシーンの話でちょっとしたケンカをする。その日お見舞いにいったときに話を聞いたヤンチャが3人に、ある本に書かれていたタイムマシーンをつくってみろと提案する。
そして3人はタイムマシーンをつくりはじめるのだが‥。

子どもたちの作りあげる独特の世界、大人にはなかなか理解できない世界がうまく描かれていると思う。
そして、はまのゆかの物語の描写をストレートに描いている水彩画もいい。
ちなみに、はまのゆかは同じ大学出身であり応援している絵描きさんの一人だ。

児童書かと思っていたのだが、いろいろなところのジャンル分けをみてみると多くは児童書ではなく日本文学のところに分類されているようだ。
たしかに子どもが楽しむというよりは、大人が読んで子どものころの思い、大切にしていたものなどを思いだしてほしいという趣旨があるように思う。
しかし、だからといって子ども向けでないかといったらそういうわけでもなく、小学生や中学生にも是非お薦めしたい一冊である。


amazonで見るbk1で見る7&Yで見る楽天booksで見る




  村山由佳 トラックバック:0 コメント:0
コミュニティ( 本・雑誌 | ブックレビュー

『天使の卵 ―エンジェルス・エッグ』

天使の卵『天使の卵 ―エンジェルス・エッグ』 (集英社文庫)
著:村山由佳

主人公の歩太は大学に落ちてしまった予備校生である。
歩太には高校以来つきあっている夏姫という彼女がいるのだが、電車の中である一人の女性に一目惚れしてしまう。
そして、その女性と偶然にも知り合うことになるのだが・・

純愛小説なのだが、それと同時に青春小説でもある。
ラスト二十数ページの展開には驚かされたが、そこまではとてもシンプルな展開で恋愛小説の王道といった様相である。
しかしそのラストでは、主人公の歩太に感情移入していればいるほど悲しく、そしてやりきれない。涙さえ流してしまうかもしれない。

とても軽くて、サラリとしているので読みやすいのだが、その軽さのために内容の濃い本が好きな人にはおそらく物足りないだろう。しかしその軽さもまた、この本の味わいの一つである。
年代的は10代後半から20代前半の人におすすめの本だ。

(TBさせてもらったblog)
→ 天使の卵(備忘録)
→ 村山由佳『天使の卵-エンジェルスエッグ』集英社文庫(活字の宇宙へと)


(関連書籍)
天使の梯子『天使の梯子』 村山由佳(集英社)




  村山由佳 トラックバック:3 コメント:4