『水の巡礼』
『水の巡礼』 (角川文庫)
著:田口ランディ
「水と魂の繋がりを探して、十の聖地を巡る、心の旅行記。」(裏表紙より)
天河弁財天、渋谷の地下、屋久島、知床、出雲・・・、著者が水にまつわる10の聖地を巡る。
素直な視点と著者なりの論理を展開して、書かれているところはいかにも田口ランディらしい。
そんな文章は、やはりどこか心に染み入ってくる内容で、心を動かされることがある。
ふだん蛇口をひねればでてくる水、とても身近な存在で、だけど生きるためには欠かせない水。この本を読むと、水の循環、水の力、水の清らかさ、水の力強さなどなど水についていろいろなことを意識することになる。
しかし、この本では「水」を糸口として、さらに人の精神的な部分に切り込んでいく。その部分に共感したり反感を覚えたりすることで、この本は単純な水をめぐる紀行文に終わらず、さらに心に響く素敵な本になるだろう。
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追記:この本を読んで、
『転生』や
『木霊』の内容についての理解がより深まった。
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コミュニティ( 本・雑誌
| ノンフィクション )
『スカートの中の秘密の生活』
『スカートの中の秘密の生活』 (幻冬舎文庫)
著:田口ランディ
テーマに田口ランディが「性」についてひたすら語るエッセイ集。
「転ばぬ先のコンドーム」「淫乱の春」「ゆとりあるセックスライフ」など、タイトルからも容易く想像できるようにいやらしい内容だ。だが、著者の真摯に性を考える態度、切れ味のいい文章、ストレートな内容でいやらしさを感じさせないところがすごい。
自身の性の体験をもとに素直に書いた文章がおもしろい。そして性への疑問を自分なりに理由付けしている部分もまたおもしろい。
それは違うだろうと思うところもあったが、そんな反感もエッセイの醍醐味のひとつ、楽しむことができた。
単行本は1999年に出版されており、それ以前に書かれた文章なので、多少古めかしさを感じるところはあった。
31編にもおよぶ話の中で、もっとも興味をひかれたのは「ラブホテルの死体」。
ラブホテルのベッドの下から全裸の死体がでてきたという事件をきっかけに、不倫をやめたという友人の愛人。
著者が友人に向けて言う「自分が汚れたような気がしたんだよ、きっと」というセリフが妙に印象に残った。
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コミュニティ( 本・雑誌
| エッセイ )
『木霊』
『木霊』 (サンマーク出版)
著:田口ランディ 絵:篁カノン
「 とても小さい頃から、自分はみんなと違うのではないかと思っていました。
どこがどう違うのか、うまく言葉で言えないけれど、私は自分の住んでいるこの世界のことが ちっともわからなかったのです。」(冒頭より)そんな女の子の物語。
生き難い世界で、がんばって行動する、でもまわりには気づいてもらえない。
読んでいて中学校の美術の先生や、母の存在に救われる。
生きることについて、人間について、自分と他人について、いろいろと考えさせられる。
そして最後の一行がとても心に染みた。
コンセプトカラー(?)の緑が、深い森のような、体内のような、そして世界そのもののような感覚を与えてくれる。
前作の
『転生』に続き、田口ランディと篁カノンのコンビが贈る独特な世界を堪能してほしい。
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(関連書籍)
『転生』著:田口ランディ (サンマーク出版)
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『転生』
『転生』 (サンマーク出版)
著:田口ランディ 絵:篁カノン
坦々と繰り返されていく転生。生と死。
そこに救いはあるのか?
こんな題材なのに宗教色を感じさせないところがよい。
細かに描写に感心する一方、恐ろしくもなる。
ただただ耽美な世界のようにも思えるが、それだけではなく、世界の循環の根元的な部分を意識させられる。
篁カノンの絵との絶妙なコラボレーション。
本屋や図書館で見た時は絵本のコーナーには置かれていなかったが、これはまさしく絵本である。それも大人向けの絵本。
読んでいると、絵に文にエロティシズムさえ感じてしまう。
個人的には絶望的な中の一寸の希望といった感じで、小さな島で産まれた犬の話がとても好きだ。
もちろん、そこまでの文脈があってこその話であるが。
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(関連書籍)
『木霊』著:田口ランディ (サンマーク出版)
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