もみじの本屋   松村栄子

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『詩人の夢』

詩人の夢『詩人の夢』 (ハルキ文庫)
著:松村栄子

『紫の砂漠』の続編。

これまで信じられてきた神話は揺らいで、世界は政変や争いが起こり混沌としていく。
またシェプシの心の傷、登場人物たちの思いや信念のぶつかり合い、前作と比べてかなり暗い雰囲気である。
しかし、前作同様の世界観を引き継ぎながらうまく話を展開しているなと感心させられた。(すこしだけ前作の終わりと矛盾もなくはないが。)
またそういった内容であるにも関わらず、ラストはいちおうハッピーエンドであり、後味は悪くなかった。

前作のネタばれになってしまうので、いろいろと内容に触れながらレビューを書けないのが残念である。
前作の終わり方に満足しているならばあまり勧めないが、前作の続きが気になる!という人は読んでみてはいかがだろうか。



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(関連書籍)
紫の砂漠『紫の砂漠』
著:松村栄子 (ハルキ文庫)

→ レビュー
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コミュニティ( 本・雑誌 | SF小説

『紫の砂漠』

紫の砂漠『紫の砂漠』 (ハルキ文庫)
著:松村栄子

見守る神(ナチュレ)、告ぐる神(サイコ)、聞く神(メモリ)、それぞれに使える祈禱師、巫祝、書記。
人間は生まれたときには性別がなく、真実の恋をして生涯の伴侶を定めたとき初めて生む性と守る性に分化、つまり男女の性差が決定する。

地理的には中央に紫の砂漠(デゼール・ヴィオレ)があり、その周りに村がある。基本的には紫の砂漠は神の領域として禁域であり立ち入ることは許されない。
子どもは7歳になると運命の旅をして一斉に聞く神の元に集められ、告げる神によって運命の親の元に授けられる。

こういった設定にはじめは戸惑うかもしれないが、読み進めていくとしっかりと理解できるように書かれている。

主人公のシェプシは塩の村に生まれ育ち、紫の砂漠に強く心惹かれている。
また普通の人とは違い、丸い耳を持っている。
シェプシは落日近い紫の砂漠で隊商からはぐれて一人彷徨う吟遊詩人を見つける。
そしてシェプシはその詩人と関係を深めつつ、運命の旅へと出発するのであった。

読んでいて、異国の風に吹かれているような奇妙な感覚に襲われた。
まったく知らない世界、自分の住んでいるところは全く異なる文化、それなのにどこか懐かしい、そんな風に感じたのだ。

運命の旅の途中、シェプシは多くのこと知りを経験する。
その内容はここでは書かないが、その内容に多くのことを考え、またそれがもたらす結末になんだかやりきれない思いをした。そして読み終えたときにはとても静かな心持ちになった。

SFやファンタジー、あるいはロマンティックな物語が好きならば一度手にとってみてはと思う一冊であった。



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(関連書籍)
詩人の夢『詩人の夢』
著:松村栄子 (ハルキ文庫)

紫の砂漠の続編




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