もみじの本屋   米澤穂信

『犬はどこだ』

犬はどこだ『犬はどこだ』 (創元推理文庫)
著:米澤穂信

調査事務所を開業し、病み上がりのリハビリがてら働く主人公の紺屋。犬探しをするべく開いた事務所には友人の大南の紹介で失踪人捜しに古文書解読と想定外の仕事ばかりが舞い込んでくる。
これまた大南から話を聞き押しかけてきた大学時代の後輩、半田平吉ことハンペー。彼も所員として迎え、受けた依頼の解決に向け動き出す。

紺屋は失踪人捜しを、ハンペーは古文書解読を調査していくのだが、ところどころでリンクしていく二つの事件。
読み手はどこまで真相に近づけるだろうか。

飽きさせずサクサクと読めるのに、なかなかに読み応えのある一冊。


by ヨメレバ





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『遠まわりする雛』

遠まわりする雛『遠まわりする雛』 (角川文庫)
著:米澤穂信

いわゆる「古典部シリーズ」の4作目。

今回は、折木奉太郎、千反田える、福部里志、伊原摩耶花の4人の古典部員の高1の1年間の出来事が7つの短編として語られる。

氷菓事件の前や、前作までの作品と作品間を埋める話、そして文化祭の後の話など、古典部員たちの心情の変化や距離感の変化などがはっきりと描かれている。

推理ものとしておもしろかったのは「心あたりのある者は」である。たった一つの放送からどんどんと展開していく様が読んでいておもしろかった。

また最後の2作「手作りチョコレート事件」と表題作の「遠まわりする雛」で締められるわけであるが、これが1年目最後の終わりに4人の行き着いたところかと、納得しながらもこの後が気になる展開である。

個人的には「遠まわりする雛」で奉太郎が「しっかりしていなさる」と言われるところが印象的であったのと、飄々とした振る舞いをする趣味人、福部里志の行き着く先にも興味がある。

5作目『ふたりの距離の概算』もすでに出ているが、2年生になった4人はどうなっていくのだろうか。楽しみである。


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(関連書籍)
氷菓『氷菓』
著:米澤穂信 (角川文庫)

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愚者のエンドロール『愚者のエンドロール』
著:米澤穂信 (角川文庫)

→ レビュー


クドリャフカの順番『クドリャフカの順番』
著:米澤穂信 (角川文庫)

→ レビュー


ふたりの距離の概算『ふたりの距離の概算』
著:米澤穂信 (角川書店)




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『クドリャフカの順番』

クドリャフカの順番『クドリャフカの順番』 (角川文庫)
著:米澤穂信

いわゆる「古典部シリーズ」の3作目。古典部はある問題を抱えて文化祭を迎える。
手違いで文集を作りすぎてしまったのだ。

話は文化祭前日からはじまり、古典部の部員それぞれが文化祭への思いを胸に前夜を過ごす。
部長の千反田えるは問題を乗り越えられるよう神に祈り、福部里志は文化祭そのものを楽しみにしつつも自分たちがその問題に対してどう動くのかが楽しみでなかなか寝付けず、折木奉太郎はネットをみたり姉とのやりとりをしながらも悲観も楽観もせずただ眠りにつく。そして神山高校文化祭に思い入れのある摩耶花は、自分の確認ミスで問題が起こったと腹をたて、また文化祭中は漫研が忙しく問題を抱えた古典部を手伝えないことに腹を立て、睡眠薬を口にする。
そして、文化祭が始まる。古典部は問題をうまく解決できるのか。

さらに古典部がそんな問題を抱えるなか、文化祭では盗難事件が起こる。
この事件はどう決着するのか。

前作までから引き続き古典部員たちの心情の変化にも注目したい。


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(関連書籍)
氷菓『氷菓』
著:米澤穂信 (角川文庫)

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愚者のエンドロール『愚者のエンドロール』
著:米澤穂信 (角川文庫)

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遠まわりする雛『遠まわりする雛』
著:米澤穂信 (角川文庫)

ふたりの距離の概算『ふたりの距離の概算』
著:米澤穂信 (角川書店)




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『秋期限定栗きんとん事件』

秋期限定栗きんとん事件 上秋期限定栗きんとん事件 下
『秋期限定栗きんとん事件』上・下 (創元推理文庫)
著:米澤穂信

前作のラストからどう続くのか、心待ちにしていたシリーズ第3弾。

今作のはじめは小鳩くんと小佐内さんは2年生、月は9月である。
つまり前作で書かれた「夏期限定トロピカルパフェ事件」のあった夏休みの明けた直後である。
読み始めていきなり衝撃的な展開だった。小鳩くん、小佐内さんそれぞれに彼女、彼氏ができるのだ。

物語は小鳩くんの視点と、小佐内さんの彼氏である瓜野くんの視点で語られる。
瓜野くんは、『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』でも登場する堂島健吾が部長を務める新聞部の一年生である。彼の視点では主に、小佐内さんとのデートや新聞部として木良市で起こる連続放火事件を追っていく姿が描かれている。
小鳩くんの視点では主に彼女である仲丸さんとのデートのことが描かれている。

二人の交際の行方は、そして連続放火事件の行方は、さらに小鳩くんと小佐内さんの関係はどうなるのか・・・。これは読んで自分の目で確かめてほしい。

ラストは小鳩くんと小佐内さんが3年生になり季節は秋である。本格的に受験勉強に取り組む時期、高校卒業に向けて二人はどのような冬を過ごすのか、次作も楽しみである。


『秋期限定栗きんとん事件』上
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『秋期限定栗きんとん事件』下
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(関連書籍)
春期限定いちごタルト事件『春期限定いちごタルト事件』
著:米澤穂信 (創元推理文庫)

→ レビュー

夏期限定トロピカルパフェ事件『夏期限定トロピカルパフェ事件』
著:米澤穂信 (創元推理文庫)

→ レビュー




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『愚者のエンドロール』

愚者のエンドロール『愚者のエンドロール』 (角川文庫)
著:米澤穂信

『氷菓』に続く作品。いわゆる「古典部シリーズ」の2作目である。
古典部も文化祭の準備を進めるなか、二年F組の生徒からその組の有志で行う出し物についてのちょっとした相談をうける。
内容は未完の自主制作映画の結末を推理する手伝いをするというものだった。
ミステリ好きならばこの設定は心くすぐられるものがある。

「折木さん、わたしとても気になります」と、やはり千反田えるに引っ張られる形で、ホータローも手伝わされる羽目になってしまう。
ホータローの若干の気持ちの変化や、古典部員とのやりとりなど、『氷菓』同様、青春小説的な要素も強く、そういった面からも十分に楽しめる。

『毒入りチョコレート事件』の本歌取りらしいのだが、まだ未読のためその部分についてはおもしろみがわからなかったが、しかし、そんなことは関係なくおもしろいので、是非、読んでみてほしい。





(関連書籍)
毒入りチョコレート事件『毒入りチョコレート事件』
著:アントニイ・バークリー (創元推理文庫)

氷菓『氷菓』
著:米澤穂信 (角川文庫)

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クドリャフカの順番『クドリャフカの順番』
著:米澤穂信 (角川文庫)

遠まわりする雛『遠まわりする雛』
著:米澤穂信 (角川文庫)

ふたりの距離の概算『ふたりの距離の概算』
著:米澤穂信 (角川書店)




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