もみじの本屋   畠中恵

『ぬしさまへ』

ぬしさまへ『ぬしさまへ』 (新潮文庫)
著:畠中恵

『しゃばけ』に続く、シリーズ2作目。
前作は長編だったが、今作は6つの話からなる連作短編である。

主人公はもちろん、体調を崩しては寝込んでばかりいる若旦那の一太郎であり、今作でも十二分に活躍する。
しかし、他にも、「空のビードロ」では、前作で若旦那が奮闘しているときに松之助に何が起こっていたのか、何をしていたのかということが描かれていたり、「仁吉の思い人」ではタイトルのとおり手代の仁吉とその思い人との話が書かれていたりと、バラエティーに富んだ一冊となっている。

「虹を見し事」という6つ目の短編では、一太郎が幼馴染みの栄吉のいる隣の菓子屋三春屋にこっそりと出かけて帰ってくると、いつもは其処彼処にいるはずの妖怪たちの姿がない。それから一太郎には、夢なのか現実なのかわからない不思議なことがおこる。
6つの短編の中で印象的だったのは上にあげた2つであったが、この「虹を見し事」がストーリーとしては一番好きである。この話は、読み終えたときとても切ない気持ちになってしまった。それとともに一太郎がこれからどんどんと成長していき、恋をするような話が描かれるのではないだろうかという期待もさせてくれた。

思わず続編にも期待が膨らんでしまう。



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(関連書籍)
しゃばけ『しゃばけ』
著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第1弾

→ レビュー

ねこのばば『ねこのばば』
著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第3弾

おまけのこ『おまけのこ』
著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第4弾

うそうそ『うそうそ』
著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第5弾

ちんぷんかんぷん『ちんぷんかんぷん』
著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ第6弾

いっちばん『いっちばん』
著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ第7弾

ころころろ『ころころろ』
著:畠中恵 (新潮社)
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みぃつけた『みぃつけた』
著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ番外編




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コミュニティ( 本・雑誌 | ファンタジー小説

『しゃばけ』

しゃばけ『しゃばけ』 (新潮文庫)
著:畠中恵

江戸でも有数の廻船問屋長崎屋の一人息子一太郎、彼がこの本の主人公である。
一太郎は体が弱く、いつも寝込んでいる。そして両親や手代だちは一太郎をとても大切にし、甘く甘く見守っている。
甘すぎるが故に、一太郎は外出さえなかなかできず、周囲は寝ていることをよしとし、一太郎はあまり自由に動き回ることができない。

しかし一太郎には普通の人とは違う力があった。
それは妖怪が見えることだ。そのため、一太郎の周りには妖怪がいっぱい。
家の中には鳴家という小鬼が走り回り、屏風からは付喪神の屏風のぞきが現れる。そして手代の二人も犬神と白沢という妖怪なのだ。

この物語は、そんな一太郎がある晩こっそりと出かけた帰り道からはじまる。
帰り道、一太郎はなんと人殺しを目撃してしまう。その犯人に追いかけられるものの、付喪神の鈴彦姫の助けもあってなんとか逃げきる。
しかし、暗闇のなかではあったが一太郎の顔は犯人に見られているかもしれず、また一太郎が見たときにはつながっていたはずの死体の首が、次の日に聞いた話では切り落とされていたという。
どうも気になるところが多い事件、一太郎はどのような行動をとるのか・・・。

時代もののファンタジーでありまたミステリでもある本書、とても読みやすく、物語に入っていきやすい。
また妖怪がでてくるのに、ほのぼのとした雰囲気でまさに柴田ゆうの表紙や挿絵のような感じである。
気楽に手に取ることができ、大人から子どもまで幅広く楽しむことのできる本だ。



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著:畠中恵 (新潮社)
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