もみじの本屋 2005年05月

『かぜのたびびと』

かぜのたびびと『かぜのたびびと』 - 絵本 -
文:舟崎克彦 絵:おぐらひろかず (ひさかたチャイルド)

私たちは
決してひとりぼっちでは
ありません。
どこかにきっと
もう一人の自分がいて
いつも手をさしのべているのです。 (カバー折返しより)


どこからかきこえてくるぼくをよぶこえ。
ききおぼえのあるこえ。
どこからきこえてくるのだろうか。

淡い色調の絵は、とてもやさしい。
話もどこか幻想的で、絵と話が互いにいい雰囲気をつくりあげている。
そして読んでいるとすーっとその本の世界のなかに入りこんでいける。


(関連書籍)

ほしのたびびと『ほしのたびびと』 文:舟崎克彦 絵:おぐらひろかず (ひさかたチャイルド)
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『中原中也詩集』

中原中也詩集『中原中也詩集』 (新潮文庫)
著:中原中也 編:吉田生

中原中也は生前『山羊の歌』と『在りし日の歌』の2冊の詩集をだしている。死後も様々な形で中原中也の詩集は出されているが、基本的に生前に出している2冊をメインに、他にノートなどに書き残されていた未発表作品を収録することが多いようだ。この新潮社から出された詩集もそんな中の一冊である。
中原中也の詩を全部知っているわけではないので、確かなことはわからないのだが、この一冊に彼の詩のほとんどが網羅されているのではないかと思う。そして、その編集の仕方にも好感が持てる。ただ詩の終わりや詩の始まりがページの境目にきたりしているものは少し見にくいので、そこにもう少し配慮してほしかった。
中原中也の詩で個人的に好きなのは「生ひ立ちの歌」である。一部抜粋してみることにする。

私の上に降る雪は
いとなよびかになつかしく
手を差伸べて降りました
(本文より)


有名な「一つのメルヘン」にしてもそうなのだが、彼の言葉の選び方や書き方など表現全体がほんとに繊細で、とても美しいと感じる。
この本でなくても、是非、中原中也の詩に一度は触れてみてほしい。
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