もみじの本屋 2006年02月

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『猫楠 南方熊楠の生涯』

猫楠『猫楠 南方熊楠の生涯』 - マンガ -
著:水木しげる (角川ソフィア文庫)

南方熊楠とは日本が国際化とはまだ程遠かった明治時代中頃に英国に渡り、『ネイチャー』誌に論文を寄稿、大英博物館の嘱託となり、孫文と親交を深めるなど大活躍をした人である。
帰国後も民俗学や粘菌学の研究などを行いつつ、神社合祀令に反対し熊野の森を守る運動の中心となるなど、時代の先を行く活動で周囲を、いや世間を驚かせた。

柳田國男、孫文、木村駿吉、徳川候、天皇陛下、彼に惹きつけられた人物を列挙してみるだけでも彼のすごさがわかるだろう。

本書によると彼は18ヶ国語を話せたそうだ。
それだけではなく猫語や幽霊語も理解でき話せたそうだ。少々信じ難い面もあるが、それが事実だとしたら、頭ではなくもっと感覚的なものも優れていたということなのだろうか。

水木しげるが南方熊楠という人物に興味をもったのは、熊楠が妖怪や幽霊などと関係が深いからというのが理由からかもしれないが、無意識のうちに妖怪研究をする者として、本能的に南方熊楠自身が妖怪であったと感じたのかもしれない。

基本的に史実に則って書かれており、どこからが水木しげる流の脚色かというところがわからないところがまたおもしろい。


(関連書籍)
『南方熊楠 森羅万象を見つめた少年』 著:飯倉照平 (岩波ジュニア新書)
『南方熊楠の森』 著:松居竜五、岩崎仁 (方丈堂出版)
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『びりっかすの神さま』

びりっかすの神さま『びりっかすの神さま』 - 児童書 -
著:岡田淳 (偕成社)

転入生の始が4年1組の教室で挨拶をしようとしたとき、透明の男が見えた。くたびれた背広によれよれのネクタイ、背中にはちいさな羽がはえた20センチくらいの男だった。
しかし教室のみんなにはその男の姿は見えていないようである。

しばらくすると始は、ビリになると男がよってくることに気がつく。それから、心の中で話ができるようにもなる。
そして始はわざとビリになろうするようになるのだが‥。

始がくるまでずっとビリだった、でもとってもやさしい女の子のみゆきが、始がわざとビリになっていることに気づいて怒るシーンが心に残る。
また、だんだんとクラスがまとまっていく様子はおもしろい。
そして、最後のリレーの場面には感動させられる。

最初の方で書かれている始とお母さんの会話から、最後のリレーの場面まで全編をとおして「がんばる」とはどういうことなのか考えさせられる一冊だ。
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コミュニティ( 本・雑誌 | 児童書

『ヴェネツィアの宿』

ヴェネツィアの宿『ヴェネツィアの宿』 (文春文庫)
著:須賀敦子

「ヴェネツィアの宿」というタイトルからイタリアの話がメインなのではと思うかもしれないが、そんなことはない。
留学先のイタリアやフランスでの話はもちろん、日本での生活を美しい文章と構成で書き上げている。

戦争の経験、戦後の修道院と寄宿舎と語学学校の混在する空間で生活、パリへの留学、日本が高度経済成長にあるなかイタリアで過ごした日々。
さらには、とても自己中心的で愛人までいる父親、古風で純日本的な親戚。
これらのエピソードがこの本にはつまっている。
また、これらの経験があるからこそ、彼女は、自身の感性を独特なものへと磨き上げていったのであろう。

この時代に生きた人はみなそうなのかもしれないが、波瀾万丈という形容がぴったりな人生を送った須賀敦子。彼女の体験した様々な事柄を見事な描写で描き出したエッセイである。


(関連書籍)
コルシア書店の仲間たち『コルシア書店の仲間たち』
著:須賀敦子 (文春文庫)
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コミュニティ( 本・雑誌 | エッセイ

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