もみじの本屋 2006年07月

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『スタジアム 虹の事件簿』

スタジアム 虹の事件簿『スタジアム 虹の事件簿』 (創元推理文庫)
著:青井夏海

まったく野球のことを知らない、虹森多佳子。
そんな多佳子がなぜか球団のオーナーになり、足繁く万年最下位のプロ野球球団、東海レインボーズの応援に通うようになった。
観客席の彼女はまるでパーティーにでも行くような格好で、気品さえも漂わせながら静かに東海レインボーズの試合を見ている。

この小説は推理小説であると同時に野球小説‥という言葉があるかどうかは知らないが、野球についての小説でもある。
しかも推理小説の主人公である虹森多佳子が野球音痴であるため、野球のルールも彼女に説明するという形をとってシンプルに解説してあるので、野球について知らない人でも楽しんで読めるようになっている。

そしてもちろん野球小説の主人公は東海レインボーズであるが、その試合についても話を追うごとに1回戦、4回戦、13回戦、18回戦、そして26回戦と盛り上がっていく。

推理小説としては結末へのもって行き方が多少強引のような気もしないでもないが、そこは小説と割り切って考えれば、この話を最後はどういうふうに解決させるのか、読んでいて逆にその切り口が楽しみにもなってもくる。

北村薫の『空飛ぶ馬』のシリーズや加納朋子の小説のように日常の謎をとりあつかう小説であるが、両者とはまた少し違った味わいのある本だと思う。
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  青井夏海 トラックバック:0 コメント:0
コミュニティ( 本・雑誌 | 推理小説・ミステリー

『春になったら莓を摘みに』

春になったら莓を摘みに『春になったら莓を摘みに』 (新潮文庫)
著:梨木香歩

読んでいる最中、ちょっぴり須賀敦子を思わせる文章だなと思っていたら、最後の解説でもそのようなことが書かれていた。
とても洗練されていて流れるような、それでいて人に強くうったえかけてくる文章、とても好みの文章である。

内容は著者がイギリス留学中に下宿していたウェスト夫人の家の周囲のこと、他の下宿人や隣人たちの話を中心に、旅先でのことや、著者自身の内的思考なども書かれている。
どの話も印象的でとてもよかった。もっとも著者の内的思考について書かれているのは「子ども部屋」という話である。全体としてもちろんそういう傾向はあるが、この話はとくに読者の思考も促してくれるだろう。

この本は一度読み終えて、すぐにもう一度読み返してしまった。
何度も読み返したくなる本はいくつかあるが、すぐに読み返したのはこの本がはじめてである。とても力強い本であった。

読みながら、共感、尊敬、憧れを強く感じた。そしてほんの少しの反感も。
梨木香歩の素顔の一面を垣間見られるこの本、とてもおすすめしたい一冊である。


(TBさせてもらった記事)
→ 「春になったら苺を摘みに」梨木果歩(日だまりで読書)
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本屋バトン

備忘録」のlittleappleさんからいただきました。 【Read More】

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『コルシア書店の仲間たち』

コルシア書店の仲間たち『コルシア書店の仲間たち』 (文春文庫)
著:須賀敦子

まさにタイトルの通り、コルシア・デイ・セルヴィ書店の出入りしていた人たちの話である。
須賀敦子がイタリアへいっていたころのミラノにあった、ある理想の実現を夢見る若者たちの集った共同体、それがコルシア・デイ・セルヴィ書店である。

須賀敦子の視点から当時の状況が切々と伝わってくる。そして、そこに登場する須賀敦子の友だちや夫も生き生きと描かれる。

『ヴェネツィアの宿』のレビューでも書いたが、やはり須賀敦子のうつくしい文章に引き込まれてしまう。
そして読み終わった時には1960年代のミラノを実際に見てきたような気さえしてしまう。


(関連書籍)
ヴェネツィアの宿『ヴェネツィアの宿』
著:須賀敦子 (文春文庫)
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