もみじの本屋 2006年12月

『トトトのトナカイさん』

トトトのトナカイさん『トトトのトナカイさん』 - 絵本 -
文・絵:長谷川義史 (ブロンズ新社)

トナカイさんです。トナカイさんはたいくつです。ふゆのあのひ、いがいはね…。(本文より)


たいくつなトナカイさんが‘しりとり’をするお話。
はじめはトナカイのイ、イ、イ…。
次々と動物がでてきて‘しりとり’が続いていく。
トナカイの次はイノシシ。さて次はどんな動物がでてくるのか‥。

いろんな動物がでてきておもしろいし、しりとりになっているので次にでてくる動物を当ててみるのも楽しい。
そして独特な絵がまたなんともおもしろい。
子どもと楽しく一緒に読むのにおすすめの一冊。

ちなみに、トナカイだけど「ふゆのあのひいがい」にしりとりをする話なので、クリスマスとは関係がない。


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『ねこざかなのクリスマス』

ねこざかなのクリスマス『ねこざかなのクリスマス』 - 絵本 -
文・絵:わたなべゆういち (フレーベル館)

猫はときどき魚の中に入って‘ねこざかな’になる。

ある日、港の方からジングルベルの曲が聞こえてきた。
行ってみると、船の上には立派なクリスマスツリーと煙突のついた家があった。
ねこざかなはプレゼントを入れる靴下にもぐり込んでサンタさんを待つ。
さてサンタさんとは会えるのだろうか?

鮮やかな色彩の絵は見ているだけでも楽しくなってくる。
仕掛けもある愉快な本なので子どもも喜ぶだろう。
読み聞かせにもぴったりなのではないだろうか。


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(関連書籍)
『ねこざかな』『ねこざかな(ポップアップ)』
『おどるねこざかな』
ねむるねこざかなそらとぶねこざかなだっこだっこのねこざかなまいごのねこざかな



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コミュニティ( 本・雑誌 | 絵本

『扉のむこうの物語』

扉のむこうの物語『扉のむこうの物語』 - 児童書-
著:岡田淳 (理論社)

行也は「物語をつくる」と宣言した──

<ピエロのあやつり人形> <扉だけの扉> <時計> <迷路> <いす> <オルガン> <大きなそろばん> ……そして<ひらがな五十音表>。
 喫茶店メリー・ウィンドウの陽気なママと二人、行也は五十音表の札をめくりはじめた。(表紙折返しより)


行也は冬休みの宿題で物語を書き始めた。父親の務める学校についていったとき、物語の材料になりそうな変わったものがたくさん置いてある倉庫で物語を考え始める。
そこへ、なぜか魔女のような服装の喫茶店のママがやってくる。

そのママと五十音表で言葉遊びをしていると、 <(え)、の、め、(い)、ろ、へ>のところで<扉だけの扉>がひらく。
その先には不思議な世界が広がっていた。
その世界では二人の言葉遊びの通りに話が進んでいく。

物語は、行也や途中から登場する千恵を中心に進んでいく。
そして分類所のピエロが登場してからは、そのピエロも中心人物となっていく。
このピエロの存在が、単なるハッピーエンドとは違う多少悲しさや切なさのようなものを感じさせ、また静けさという余韻を残す。

次に何が起こるのか想像のできない展開で、長い物語を退屈させない。
そして、戻るための方法を探すため、そのときどきに目的を定め行動していく。読んでいると、そんな姿がなんだか快く感じる。

手元にあるのは1987年に発行された「大長編Lシリーズ」のものなのだが、表紙に物語のいろいろな場面が色鉛筆で描かれていておもしろい。


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『クジラが見る夢』

クジラが見る夢『クジラが見る夢』 (新潮文庫)
著:池澤夏樹

史上はじめて素潜りで100メートルを潜った男、ジャック・マイヨール。彼と共にイルカやクジラと接して過ごした日々を池澤夏樹が語る。

話は「バハマ沖」、「サウス・ケイコス」、「シルバー・バンク」の3つに分かれている。
「バハマ沖」では、ジャック・マイヨールや著者たちがイルカを追う話がメインだ。「サウス・ケイコス」では、ジャック・マイヨールが昔、ロブスター漁をしていたときに出会った人たちとの交流と近くの無人島にキャンプに行く話である。そして「シルバー・バンク」は、ジャック・マイヨールたちとクジラとの話だ。

「素潜りである限度を超えて潜るようになった時、彼は精神と肉体が深く結びついていることを知った。身体だけが潜るのではない。精神の意志を肉体が実行する。いや、精神力によって肉体を管理するというような一方的なことではないだろう。両者が渾然一体となってはじめて一〇〇メートルの深度への往復が実現する。」(本文より)

「宗教は自分の外に敷かれたレールに乗ることだから、その方法は彼(=ジャック・マイヨール)はとらない。スキューバと同じでそれは安易すぎる。そうでないものを自分の精神と肉体を通じて求める。」(本文より)


読んでいるとジャック・マイヨールという人物が少しずつ見えてくる。
海に潜ること、ストレッチや呼吸などから精神と肉体のつながりといった思想的なものまでが見え隠れする。

字も大きめで余白も多く、とても読みやすい。
だが、それに反して内容は充実している。
また綺麗な写真も多数収録、著者のシンプルな挿絵もいい雰囲気である。


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(関連商品)
イルカと、海へ還る日『イルカと、海へ還る日』
著:ジャック・マイヨール (講談社)


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『ムーミン谷の彗星』

ムーミン谷の彗星『ムーミン谷の彗星』
原題:『Kometen kommer』
著:トーベ・ヤンソン 訳:下村隆一 (講談社文庫)

物語はムーミンパパが川に橋を渡し終えたのと同じ日からはじまる。ムーミントロールはスニフが見つけたという「こわそうな道」の探検にいき、二人は海と洞窟を見つける。
その日の夜遅く、ムーミンやしきに一匹のじゃこうねずみがたずねてくる。じゃこうねずみは暗い宇宙の話をし、そして地球がほろびるという。ムーミントロールとスニフは宇宙がどうなっているのかを調べるため天文台を目指し旅に出発する。

天文台を目指す途中、スナフキンと出会い彗星の話をきく。
そしてスナフキンも一緒に天文台へ同行することになる。
さらにその後、スノークやスノークのおじょうさん、ヘムレンさんたちとも出会う。

彗星はやってくるのか、ムーミン谷はどうなってしまうのか、そしてムーミントロールたちはどうするのか。
解説で山室静が書いているように、この作品には確かに不安や動揺を秘めている。
だが、そこはほのぼのとして愛らしいムーミントロールたちが織りなす物語、そんな不穏な空気さえも安心して読むことができる。

スナフキンやスノークのおじょうさんなど、ムーミン童話の主要なキャラクターたちと出会うこの話はムーミン好き必見だ。


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(関連書籍)
たのしいムーミン一家ムーミン谷の仲間たちムーミン谷の夏まつりムーミン谷の冬

ムーミンパパの思い出ムーミンパパ海へ行くムーミン谷の十一月

小さなトロールと大きな洪水『小さなトロールと大きな洪水』
著:トーベ・ヤンソン (講談社青い鳥文庫)

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