もみじの本屋 2007年07月

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『金魚の恋』

金魚の恋『金魚の恋』 (中公文庫)
著:坂崎千春

一匹の金魚が金魚鉢の中の世界で静かに暮らしていた。
そこに一匹の黒い金魚がやってくる。

恋をするといつも嬉しくてたまらない。
ときどきケンカもするけど、でもやっぱりいつも一緒にいたい。
だけど時々よぎる不安。それはたぶん別れの予感。


金魚にはわかっていました
金魚は ちっぽけなこの世界を
愛していました
           (本文より)


ちょっぴり切ないけれど、心にじんわり染みてくる。
シンプルでかわいらしい絵と言葉がつまった大人向けの絵本。


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●サ行の作家 トラックバック:0 コメント:1
コミュニティ( 本・雑誌 | ブックレビュー

『宇宙でいちばんあかるい屋根』

宇宙でいちばんあかるい屋根『宇宙でいちばんあかるい屋根』 (角川文庫)
著:野中ともそ

新しくおとずれる夏の気配に出会うたび、ふいに思い出す。星ばあとの場面。そこは、いつでも夜のなかだ。夜というより、ヨルと書くほうが似合うような。(本文より)

主人公のつばめは、恋の悩み、家では少し息苦しさを感じている、どこにでもいそうな中学生の女の子。
つばめは週に2回、書道教室に通っている。そして、教室が終わったあとはいつもそのビルの屋上にいく。そこはつばめだけの貸切りのつばめの場所。心をたいらかに戻す場所だった。
そこに魔女のほうきならぬキックボードに乗っかって現れたのが‘ほしばあ’だった。

口が悪くて何でもずけずけと言うほしばあ、食べ物をねだってくるほしばあ。でもそんなほしばあのペースにいつの間にか引き込まれているつばめ。そしてほしばあも理不尽なことばかり言っているようで、実はつばめのことを思っているということが感じ取れる。

「あんたの知らないところで守られつづいてるもんもあるってことだ。知らないもんはないことだと決めつける。そんな狭い心を無知ってんだ」

「だれだってもって生まれた力はあるさ。その力を目いっぱい使って生きるんは立派なことだ。だがな、忘れちゃいけんのは、その力をどう使うかってことじゃない。どんな強さもおよばない重くておっきいもんが、生きてるうちにゃ必ずころがってくる」「重しにとりこまれるな。一緒になって沈みこんでもいいから、もう一度浮きあがれ。いいか、悲しみも喜びもパチンコと違ってうちどめってもんがない。とりこまれたら負けさ」

(本文より)

そんなほしばあとの触れ合いのなかで、徐々につばめも変わっていく。
星空を眺めているような、静かでやさしい物語。


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  野中ともそ トラックバック:2 コメント:3
コミュニティ( 本・雑誌 | ブックレビュー

『やがて今も忘れ去られる』

やがて今も忘れ去られる『やがて今も忘れ去られる』 (角川文庫)
著:銀色夏生

「バイバイまたね」以来、5年ぶりの写真詩集。
中学生ぐらいの少女をモデルとした写真詩集なのだそうだ。

銀色夏生の詩を読んでいるとなんだかせつない気持ちになる。そして、奇麗だけどどこかもの悲しい写真がさらにせつなさを煽る。

個人的には詩ともいえないような短い言葉が好きだ。ふとこぼれ落ちたようなその言葉に、さまざまな想いが浮かんでくる。

64ページにはタイトルの「やがて今も忘れ去られる」という言葉がでてくる詩がある。
どことなく虚無感がただよっている詩なのだが、この雰囲気は実は詩集全体にも漂っている。恋愛の詩が多い中でこの雰囲気を醸し出せるあたりがやはり銀色夏生だと感じた。




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●カ行の作家 トラックバック:0 コメント:2
コミュニティ( 本・雑誌 | 詩集

「パッチ・アダムス」

GET RICH OR DIE TRYIN「パッチ・アダムス」 (1998 アメリカ)
監督:トム・シャドヤック
主演:ロビン・ウイリアムズ、モニカ・ポッター、フィリップ・セイモア・ホフマン

パッチ・アダムスは医者と患者は対等であり、また患者も医者でありうるという考えのもと、単に病気や怪我の治療をするだけの医者でなく、笑いによる医療を、そして心の医療を実践する医者を目指す。そんなパッチ・アダムス(ハンター・アダムス)の実話の物語。

見終えてみての感想は素直に感動した。
笑えるし、泣けるし、考えさせられるし、また物語のテンポもよくて、俳優もみんないい味をだしている。映画としてシンプルにできがいいものであると思う。
いろいろな人にすすめたい映画の一つ。



(関連商品)
パッチ・アダムスと夢の病院文庫『パッチ・アダムスと夢の病院』
著:パッチ・アダムス、モーリーン・マイランダー 訳:新谷寿美香
(主婦の友社)
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○映画感想 トラックバック:0 コメント:2
コミュニティ( 映画 | 映画感想

『夏期限定トロピカルパフェ事件』

夏期限定トロピカルパフェ事件『夏期限定トロピカルパフェ事件』 (創元推理文庫)
著:米澤穂信

『春期限定いちごタルト事件』の続編。

単なる互恵関係の小鳩くんと小佐内さん。二人が休日に会うということはほとんどない。しかしこの夏は違っていた。
高校2年の夏休み、小鳩くんは小佐内さんの選んだ夏のスイーツベスト10を食べてまわるという〈小佐内スイーツセレクション・夏〉につきあうことになった。

物語は「ソースの焦げる匂いがした。」という一文から始まる。「香ばしい」ではなく「焦げる」という表現を使っているあたり、なんとも不穏な雰囲気が漂う。文章はさらに、「それだけならいい香りだったかもしれないけれど、ほかにも醤油や油の匂い、砂糖が溶ける甘い匂いなども漂っていて、全部を混ぜ合わせればどう考えてもいい香りではなかった。」と続く。

読み進めていくと、冒頭部分のそんな不穏な空気はすっかり忘れ、小鳩くんや小佐内さんとともに日常のなかにうずもれていく。
そして、事件も解決めでたしめでたし・・かと思いきや、この本には続きがある。
ネタばれしてしまうため、その部分について語れないがいい意味で期待を裏切られる。
そして読み終えてみて、冒頭の部分がなんとなく物語全体を示唆していたような気がした。

今作は前作以上に短編連作としての完成度が高い。
ところどころで感じる微妙な違和感、それを見ていくことで全体像が浮かび上がってくる。しかし、シンプルそうに見える全体像も案外、一筋縄ではいかない。
推理小説として本書を見る場合、どこまでその全体像を見抜くことができるかが腕の見せどころとなるだろう。

(いいなと思った記事)
●  『夏期限定トロピカルパフェ事件』米澤穂信 (今夜、地球の裏側で)
 …… 内容もわかりやすい細やかなレビューが素敵だ。
●  『夏期限定トロピカルパフェ事件』 裏切られた!無論、いい意味で! (ぷれヴぃじおーね)
 …… ストレートに書かれた感想が心地いい記事。


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(関連書籍)
春期限定いちごタルト事件『春期限定いちごタルト事件』
著:米澤穂信 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件 上『秋期限定栗きんとん事件』上
著:米澤穂信 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件 下『秋期限定栗きんとん事件』下
著:米澤穂信 (創元推理文庫)
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  米澤穂信 トラックバック:1 コメント:2
コミュニティ( 本・雑誌 | 推理小説・ミステリー

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