もみじの本屋 2009年04月

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『ぬしさまへ』

ぬしさまへ『ぬしさまへ』 (新潮文庫)
著:畠中恵

『しゃばけ』に続く、シリーズ2作目。
前作は長編だったが、今作は6つの話からなる連作短編である。

主人公はもちろん、体調を崩しては寝込んでばかりいる若旦那の一太郎であり、今作でも十二分に活躍する。
しかし、他にも、「空のビードロ」では、前作で若旦那が奮闘しているときに松之助に何が起こっていたのか、何をしていたのかということが描かれていたり、「仁吉の思い人」ではタイトルのとおり手代の仁吉とその思い人との話が書かれていたりと、バラエティーに富んだ一冊となっている。

「虹を見し事」という6つ目の短編では、一太郎が幼馴染みの栄吉のいる隣の菓子屋三春屋にこっそりと出かけて帰ってくると、いつもは其処彼処にいるはずの妖怪たちの姿がない。それから一太郎には、夢なのか現実なのかわからない不思議なことがおこる。
6つの短編の中で印象的だったのは上にあげた2つであったが、この「虹を見し事」がストーリーとしては一番好きである。この話は、読み終えたときとても切ない気持ちになってしまった。それとともに一太郎がこれからどんどんと成長していき、恋をするような話が描かれるのではないだろうかという期待もさせてくれた。

思わず続編にも期待が膨らんでしまう。



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(関連書籍)
しゃばけ『しゃばけ』
著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第1弾

→ レビュー

ねこのばば『ねこのばば』
著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第3弾

おまけのこ『おまけのこ』
著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第4弾

うそうそ『うそうそ』
著:畠中恵 (新潮文庫)
シリーズ第5弾

ちんぷんかんぷん『ちんぷんかんぷん』
著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ第6弾

いっちばん『いっちばん』
著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ第7弾

ころころろ『ころころろ』
著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ第8弾

みぃつけた『みぃつけた』
著:畠中恵 (新潮社)
シリーズ番外編
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コミュニティ( 本・雑誌 | ファンタジー小説

『秋期限定栗きんとん事件』

秋期限定栗きんとん事件 上秋期限定栗きんとん事件 下
『秋期限定栗きんとん事件』上・下 (創元推理文庫)
著:米澤穂信

前作のラストからどう続くのか、心待ちにしていたシリーズ第3弾。

今作のはじめは小鳩くんと小佐内さんは2年生、月は9月である。
つまり前作で書かれた「夏期限定トロピカルパフェ事件」のあった夏休みの明けた直後である。
読み始めていきなり衝撃的な展開だった。小鳩くん、小佐内さんそれぞれに彼女、彼氏ができるのだ。

物語は小鳩くんの視点と、小佐内さんの彼氏である瓜野くんの視点で語られる。
瓜野くんは、『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』でも登場する堂島健吾が部長を務める新聞部の一年生である。彼の視点では主に、小佐内さんとのデートや新聞部として木良市で起こる連続放火事件を追っていく姿が描かれている。
小鳩くんの視点では主に彼女である仲丸さんとのデートのことが描かれている。

二人の交際の行方は、そして連続放火事件の行方は、さらに小鳩くんと小佐内さんの関係はどうなるのか・・・。これは読んで自分の目で確かめてほしい。

ラストは小鳩くんと小佐内さんが3年生になり季節は秋である。本格的に受験勉強に取り組む時期、高校卒業に向けて二人はどのような冬を過ごすのか、次作も楽しみである。


『秋期限定栗きんとん事件』上
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『秋期限定栗きんとん事件』下
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(関連書籍)
春期限定いちごタルト事件『春期限定いちごタルト事件』
著:米澤穂信 (創元推理文庫)

→ レビュー

夏期限定トロピカルパフェ事件『夏期限定トロピカルパフェ事件』
著:米澤穂信 (創元推理文庫)

→ レビュー
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コミュニティ( 本・雑誌 | 推理小説・ミステリー

『はなのおはなし』

はなのおはなし『はなのおはなし』 (ベストセラーズ)
著:はな

毎日中学生新聞に連載されていた「はなははな」に加筆して出版された、はなの初エッセイ。
現在、たくさんのエッセイなどを出しているが、その原点である。
今と変わらず、とても読みやすい文章で、写真やかわいらしい絵もたくさん、そんなところでもはなははなだと感じさせてくれる。
出版されたのが1999年なのでちょっと古い内容もあるけど、とても楽しめる♪

映画の話、弟のこと、髪型の話、旅の話などなど、日常のいろいろなことをはなの目線でかいていて、自分もはなを見習って自分らしく生活したいななんて気持ちにしてくれる。

ちなみに今手元にあるこの本にははなの直筆サインが入っている♪


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コミュニティ( 本・雑誌 | エッセイ

『アヒルと鴨のコインロッカー』

アヒルと鴨のコインロッカー『アヒルと鴨のコインロッカー』 (創元推理文庫)
著:伊坂幸太郎

現在と2年前の話が交互に書かれており、「現在」は椎名という大学の新入生の目線で、「2年前」はペットショップでバイトをしている琴美という女性の目線で書かれている。

「現在」では、椎名は引っ越しそうそう隣人の河崎という男に広辞苑を奪うために「一緒に本屋を襲わないか」と誘われる。そして、その二日後には本屋を襲うことになるのである。
「2年前」では、琴美の住む市内でペット殺しが多発しており、琴美はその犯人かもしれない3人組と遭遇してしまう。

読み進めていくと、「現在」と「2年前」が徐々につながっていき、さまざまな謎が徐々に解き明かされていく。

椎名が本屋を襲いにいくことや、琴美がドルジというブータンからの留学生を初対面でアパートに連れていくところなど多少アリティーにかけるなと思う部分もあるが、その強引さもフィクションならではのよさなのかもしれない。

動物虐待のことについて話しているところのペットや野良猫の殺し方が無惨で、想像するだけでもぞっとする。しかし、一番はじめに以下のようなページがあるところはおもしろいと思う。

No animal was harmed in the making of this film.
(この映画の製作において、動物に危害は加えられていません)

            映画のエンドクレジットによく見られる但し書き


ひとつ大きな仕掛けがあり、まったく気づいていなかったので驚かされた。
そして、その仕掛けに笹生陽子の『楽園のつくりかた』を思い起こした。

全体的に軽快な文章で、また飽きさせずどんどんと読み進めることができる。
第25回吉川英治文学新人賞をとった作品であるが、確かに著者の才能を感じさせる一冊である。


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コミュニティ( 本・雑誌 | 推理小説・ミステリー

『てるてるあした』

てるてるあした『てるてるあした』 (幻冬舎文庫)
著:加納朋子

親の夜逃げのため、ひとり「佐々良」という町を訪れた中学生の照代。そこで彼女が一緒に暮らすことになったのは、おせっかいなお婆さん、久代だった。久代は口うるさく家事や作法を教えるが、わがまま放題の照代は心を開かない。そんなある日、彼女の元に差出人不明のメールが届き始める。その謎が解ける時、照代を包む温かい真実が明らかになる。 (裏表紙より)


そう、佐々良という町とはあの『ささら さや』の佐々良であり、久代もあの久代である。本作は『ささら さや』の姉妹編(続編というべきか…)なのだ。もちろん『ささら さや』で主人公であったサヤをはじめ、エリカやユウ坊やほかのおばあちゃんたちも登場する。
なので、もし『ささら さや』を未読ならばそちらから読むことをおすすめする。

主人公である照代は久代とのやりとりや佐々良の町の住人たちとの出会いの中で、多くの心情の変化を見せ、成長していく。その姿は嬉しいような、心地よいような、清々しいような、うまく表現できないのだが好ましさがある。また結末も胸にぐっとくるものがあった。やさしさ、あたたかさのつまった物語である。

(いいなと思った記事)
●  「てるてるあした」加納朋子 (本を読む女。改訂版)
 …… 主人公に寄り添ったコメントが好感的だった。





(関連書籍)
ささら さや『ささら さや』
著:加納朋子 (幻冬舎文庫)

→ レビュー



はるひのの、はる『はるひのの、はる』 加納朋子 (幻冬舎)

→ レビュー

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