もみじの本屋 2009年08月

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『オーデュボンの祈り』

オーデュボンの祈り『オーデュボンの祈り』 (新潮文庫)
著:伊坂幸太郎

伊藤は目を覚ますと見知らぬ部屋で一人寝ていた。
ノックされるドア。
ドアを開けると見知らぬ男が立っていた。
その男は日比野といい、轟という人物に頼まれ島を案内しに来たのだという。

主人公である伊藤がいたのは仙台の牡鹿半島をずっと南にある荻島という島だった。その島は外との交流はなく外界とは隔絶されているという。
また出会うのは、嘘しか言わない園山という元画家や地面に耳をつけて遊んでいる若葉という少女、島のルールで人殺しの桜という男、未来のことを知っており喋ることのできる優午というカカシなどとても変な住人ばかり。

さらに島には
「此処には大事なものが、はじめから、消えている。だから誰もがからっぽだ」
「島の外から来た奴が、欠けているものを置いていく」
という古い言い伝えがある。
多くの人は信じていないが、日比野は信じている。

そんな住人と会ったり、変な言い伝えを聞かされたりという一日がとりあえず過ぎ、次の日目を覚ますと島の状況が一転していた。
島の指針であった優午が殺されるのだ。

わからないことだらけである。
なぜ未来を知っているはずの優午は自分の死を阻止できなかったのか?
犯人はいったい何なのか?
言い伝えは本当なのか?
本当ならば島にないものとはいったい何なのか?


率直な感想であるが、とてもおもしろかった。
設定がおもしろく、また場面転換が多いので飽きずにサクサクと読み進めることができた。

この本に関しては「内容がわかりにくい」だとか「村上春樹を彷彿させる」といったレビューを読んでいたので覚悟して読んだのだが、個人的にはまったくそんなことは感じなかった。
むしろ、世界観がはっきりとしていて、そのなかで出てくる謎をその世界観にそって謎解きするという本格的な推理小説であった。

この小説をファンタジーと位置づけている人が多いようだが、どちらかというとSFの要素が強いように感じた。SFの世界設定として、喋るカカシや荻島などの解説が甘いとは思うが、現実世界には存在しない法則を仮定した上に成り立っていると思う。

まあ、ファンタジーでもSFでもよいのだが、非現実的な設定が読者の幅を狭めているのは事実のようである。また場面転換の多さも、人によっては読みにくいかもしれない。
しかし、こんな変わった設定のミステリ小説は稀有であり、また多少の詰めの甘さは感じるものの、とても完成度の高い作品であると思うので、ぜひ一読してみてほしい。



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