もみじの本屋 2010年12月

『くっついた』

くっついた『くっついた』 - 絵本 -
著:三浦太郎 (こぐま社)

金魚と金魚が「くっついた」、ゾウとゾウが「くっついた」。

内容は左右のページにいる2匹(頭)の動物が次のページでくっつくというだけのもの。
絵もシンプルで内容もシンプル、だからこそ赤ちゃんも惹かれるのだろう。

ページをめくるときに勢いよく「くっついた!」と言ってあげると赤ちゃんや子どもはとても喜んでくれるはず。
また最後には赤ちゃんとお母さんやお父さんもほっぺたでくっつく。そのとき「くっついた」といって自分のほっぺたを赤ちゃんのほっぺたにくっつけてあげても喜んでくれそう。


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コミュニティ( 本・雑誌 | 絵本

『ムーミン谷の冬』

ムーミン谷の冬『ムーミン谷の冬』
原題:『Trollvinter』
著:トーベ・ヤンソン 訳:山室静 (講談社文庫)

ムーミンたちは11月から4月は必ず冬眠して過ごす。それが先祖からのならわしであり、ムーミンたちはしきたりを重んじたからである。
そんなムーミンたちが冬眠に入った冬のある日、これまでに起こったことのないことが起こった。それはムーミントロールが目を覚まし、眠れなくなってしまったのである。

最初は心細い思いをしていたムーミンも、いつもは見ることのない冬の世界にどんどんと引き込まれていく。
ムーミンたちの知らない冬の間にも起きていて、その世界を生きている者たちがいるんだと知る。

流しの下の住人、ご先祖、氷の女王、自分がオオカミだと思っている子犬、愚かだけれど素晴らしい尻尾を持つリス、おしゃまさん、モランなどなど、愉快だったり、悲しかったり、不思議だったりいろいろな登場人物たちが冬のムーミン谷を彩る。

冬のムーミン谷はいつもの愉快でにぎやかなムーミン谷とは違って、すごく静かな雰囲気が漂っている。
そんな冬のムーミン谷はムーミンにどんな物語を用意しているのだろうか。


(他のムーミン作品のレビュー)
→ 『たのしいムーミン一家』
→ 『ムーミン谷の彗星』



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(関連書籍)
たのしいムーミン一家ムーミン谷の彗星ムーミン谷の仲間たちムーミン谷の夏まつり

ムーミンパパの思い出ムーミンパパ海へ行くムーミン谷の十一月

小さなトロールと大きな洪水『小さなトロールと大きな洪水』
著:トーベ・ヤンソン (講談社青い鳥文庫)

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コミュニティ( 本・雑誌 | ブックレビュー

『[新世界] 透明標本』

透明標本『[新世界] 透明標本』
著:冨田伊織 (小学館)

透明標本は「『筋肉を透明化し、軟骨を青く、硬骨を赤く染色する』という、骨格研究の手法 (本文より)」なのだそうだ。

書店で見かけ、この本を手に取ったとき表紙の鳥の骨格をイラストか何かだと思った。しかし、説明を読んでみると実際の鳥を標本にしたものであった。
そして中を見てみてその美しさに息をのんだ。透明感のある色、骨格の緻密さと、標本になってなお感じられる動物の動き。

おなじ脊椎動物なのだから当たり前なのだが、魚類も両生類も爬虫類も鳥類も哺乳類も似たような骨の構造をしていることに、改めて驚かされる。もちろん、骨学的には(鳥類と哺乳類で指骨(趾骨)の数が違ったり)多々違いはあるだろうが、例えばカエルとトリとネズミの外見は全く違うのに頭蓋骨があり、椎骨があり、上腕骨や前腕骨がありといったように基本的な構造はやはりそっくりである。

この本は生々しいはずの生物をとても無機的に見せてくれ、色や構図などもとても芸術的である。
しかし、もちろん標本として登場する動物たちにも以前は生があり、他の生命を食べて生きていたという事実はある。それを感じさせてくれるのがヤマカガシがカエルを丸飲みにしている標本の写真である。

綺麗なだけの写真集に終わらず、生が確かにそこにあったことを感じさせ、考えさせてもくれる一冊である。
ただ、動きを出すためにわざとなのであろうが骨格をぼかしてあるところも多く、細かな骨格の勉強にはあまり使えないかもしれない。しかし、ある程度知識があれば、逆に鳥の癒合鎖骨がきれいに見えるなとか、そういった視点からも楽しめるのではないだろうか。

いろいろな意味で興味深い一冊である。

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コミュニティ( 本・雑誌 | 本の紹介

『はなのとっておきスウィーツBOOK』

はなのとっておきスウィーツBOOK『はなのとっておきスウィーツBOOK』 (集英社be文庫)
著:はな

おいしそうなお菓子の写真とレシピ。
甘いものは大好きなので眺めているだけでにこにこと笑顔になる。
ひとつひとつのお菓子の解説を読むたびに、このお菓子おいしそうだな、食べたいなと思ってしまう。

少しだけどはなのエッセイも入っていて、それも嬉しい。
はなが10歳のときにはじめてマシュマロ・クリスピーというという話を読みながら、そういえば小学生の時につくったパンプキンスープを思いだした。両親は共働きだったので親が帰ってきたときに驚かせようと、一人で買い物にいってきてテレビで言っていた作り方をメモしたものを見ながら必死でつくったのを覚えている。かぼちゃを切るのも大変だったけど、2度も裏ごししたり、意外と手が込んでいた。

話が脱線してしまったが、amazonのレビューを見ていて、はなのファンではない人がこの本をレシピが充実していて、体にやさしいレシピも多く、ラッピングもかわいいと評価していた。
その方が書いていたように、料理本としては大きさに少々難があるかもしれないが、持ち運びは便利だし個人的には気にならない。

お菓子作りが好きな人、はなが好きな人は買って損はないと思う。
あと甘いものが好きだけど作るのはちょっとという人は誰かにプレゼントして作ってもらうのもひとつかも。
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コミュニティ( 本・雑誌 | 料理の本

「『秘密の花園』ノート」

秘密の花園ノート「『秘密の花園』ノート」 (岩波ブックレット)
著:梨木香歩

一言で言うならば『秘密の花園』のガイドブック。

『秘密の花園』は庭と再生の物語である。そう書くだけで梨木香歩の作品が好きな人ならば分かると思うのだが、梨木香歩の作品のテーマと大きくつながっている。『秘密の花園』について語るのにこんなにふさわしい作家はそうはいないだろう。

『秘密の花園』は、荒れ果てた庭が甦っていくいく物語であると同時に、主人公のメアリに光がさしていく物語であり、またヨークシャーの屋敷に、コリンに光がさしていく物語である。
そこに梨木香歩らしい切り口で、物語の見どころ、見せ場を本文も引用しながら解説してくれている。
『秘密の花園』を読んだことがある人でも、ない人でも読みやすい本であると思う。

この本を読んだだけでも一通り『秘密の花園』の内容はわかる。まだ読んだことのない人ならば、こちらを先に読むことはネタばれとなるので注意が必要だが、おそらくこの本を読むとその生命力あふれる美しい情景の引用や、メアリやコリンの成長を実際に目の当たりにしたいと思い『秘密の花園』を手に取るのではないだろうか。かくいう私自身も『秘密の花園』を再読した。そして、この本を読んでいたことで感動が深まった。





(関連書籍)
秘密の花園『秘密の花園』
著:フランシス・ホジソン・バーネット (光文社古典新訳文庫)

→ レビュー
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