もみじの本屋 2011年07月

『ひとがた流し』

hitogatanagasi『ひとがた流し』 (新潮文庫)
著:北村薫

本書のヒロインは40代の3人の女性である。

細かく些細な話の積み重ねで一つの大きな流れができていて、読んでいると何気ない日常の中で時折見せる不安や、忍び寄る悲しみの気配が漂ってくる。はじめのうちは仄かで、間違いだったのかなと思うのだが、読んでいるとそれが徐々に色濃くなってくる。

北村薫の描く女性は、なぜこんなにも魅力的なのだろうか。千波の「やり直せない人生が好き」というセリフはとてもかっこよかった。

朝日新聞連載時にも目を通していたのだが、そこでおーなり由子が書いていた挿絵もほのぼのとしてとてもよかったのに、書籍化されてその挿絵がなかったことは残念である。

好きな本の1冊『月の砂漠をさばさばと』のさきちゃんがこの本では登場する。成長したさきちゃんの姿が見られるのはなんだか嬉しい。といっても脇役の一人ではあるが。


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(関連書籍)
tukinosabakuwosabasabato『月の砂漠をさばさばと』
著:北村薫 (新潮文庫)



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