もみじの本屋 『沙羅は和子の名を呼ぶ』

『沙羅は和子の名を呼ぶ』

沙羅は和子の名を呼ぶ『沙羅は和子の名を呼ぶ』 (集英社文庫)
著:加納朋子

10編の話が収められている加納朋子の短編集。それぞれの話のタイトルは下に列挙しておく。
どの話も好きだし、印象に残ってる話は?と聞かれても困ってしまうのだが、いくつか挙げて書いてみる。

「天使の都」は、読んでいる最中はとても不思議な話で、どうなるんだろうとずっと思っていたが、読み終わってみるとすっきりとした印象で、心あたたまる話だった。
「橘の宿」は、どこかで聞いたような、どこでも聞いたことのないようなどこか懐かしい昔話という感覚が心地よかった。
「オレンジの半分」の「半分に切ったオレンジに、一番よく似ているものなあんだ?」というなぞなぞがあり、最後には納得の結末であった。ちなみに「オレンジの半分」は『掌の中の小鳥』とつながりがある話である。
表題の作品「沙羅は和子の名を呼ぶ」については先入観なしで楽しんでほしいので、あえてコメントは避けたいと思う。

この本に収められている作品は全体的にこれ以前の加納朋子の作品とはすこし風合いの違うものだ。もちろん推理小説なので、謎とその謎解きは用意されているのだが、安心しきって読んでいる裏切られてしまう。
これ以上書くと読んだ時の面白みが減ってしまうのでこの辺りに留めておくが、加納朋子ファンの人もミステリファンの人も一読してみる価値のある本だと思う。

あと、本島幸久の解説の「呪文」についての話も、なかなか興味深かった。

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「黒いベールの貴婦人」
「エンジェル・ムーン」
「フリージング・サマー」
「天使の都」
「海を見に行く日」
「橘の宿」
「花盗人」
「商店街の夜」
「オレンジの半分」
「沙羅は和子の名を呼ぶ」
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(関連書籍)
掌の中の小鳥『掌の中の小鳥』
著:加納朋子 (集英社)

→ レビュー

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コメント

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2005 10/12 - 編集


はじめまして、midoriさん。コメントありがとうございます!
「商店街の夜」もいいですよね♪シャッターの絵、想像しただけでもなんかワクワクしてきます。
「沙羅は和子の名を呼ぶ」は読んでいて、とにかく怖かったです。
短編集なのでけっこう気軽に読み返せるし、是非もう一度♪

2005 09/07 大葉 もみじ 編集


大葉もみじさん初めまして。
私も加納さんの作品が好きなのでコメントさせてもらいます♪
この本はかなり前に借りて読んだので記憶があやふやですが、
「商店街の夜」と「沙羅は和子の名を呼ぶ」が印象的でした。
これを機にもう一度読みたいと思います。

2005 09/07 midori 編集


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