もみじの本屋 『裏庭』

『裏庭』

裏庭『裏庭』 (新潮文庫)
著:梨木香歩

両親はいつも仕事で忙しく、祖父母ももういない。ふたごの弟は6年前に他界している。だから、ひとりで留守番をすることも多い照美だが、友だちの綾子のおじいちゃんが好きでよくいろいろな話を聞きに行っていた。
そんなおじいちゃんから、バーンズ屋敷の昔の様子やとっても不思議な裏庭についての話をきく。そして、照美はその裏庭に行くことになるのだが・・・。

梨木香歩らしく、さまざまな問題を含んでおりメッセージ性の強い作品だが、児童文学ファンタジー大賞をとっているだけのことはあり、子供も大人も楽しめる一冊だと思う。
後半、照美は様々な苦難に立ち向かうことになる。抑えきれない感情、自分の醜い部分、自身と他との関係性など、話もすこし難しくなってくるが逆にそれが話全体に深みを与え、読み応えある作品としている。

話は細部にまでこだわりが感じられる。いたるところに伏線などが張り巡らされており、それに気づくおもしろさもある。簡単なもので例をあげると、照美という名前についてや、町で起こっている状況と町の地中との関連性など。また話に直接的に関係はないが、知っているとわかることなどもあり感心させられる。

たいていは1冊の本を2,3日で読むのだが、この本はすーっと物語に引き込まれてしまい一気に全部読んでしまった。

(TBさせてもらったblog)
→ 「裏庭」(日だまりで読書)
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  梨木香歩 トラックバック:2 コメント:2
コミュニティ( 本・雑誌 | ファンタジー小説

コメント

コメントありがとうございます!

ファンタジーなのに、こんなに考えさせられる作品もめずらしいですよね。
そしてすべてがひとつにつながっているところが、とってもすごいと思います。傷もテルミィの旅も(裏庭や家庭も含めて)庭も、そして人と人とのつながりさえも。

梨木香歩さんの‘縁’のつなぎかた、つながりかたの巧さは『からくりからくさ』や『りかさん』でも驚かされましたが、どの作品でもその根底にあるんですよね。

また文章全体にあたたかな雰囲気がただよっていて、どんな場面でもやさしく包み込んでくれるところが好きです。

またいつでも遊びに来てくださいねっ♪

2006 01/11 大葉 もみじ 編集


後半、
>話もすこし難しくなってくるが逆にそれが話全体に深みを与え、読み応えある作品としている。

うんうん、本当に。読み応えありました♪
心について、傷について、考えたくなるような作品でした。
忘れられない一冊になりそうです。

大葉 もみじさんのとこ、ちょっと覗いてみたくなるようなカテゴリーがいっぱい\(^o^)/
また、ゆっくり遊びに伺います♪

2006 01/09 そら 編集


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裏庭 梨木香歩

裏庭■やぎっちょ書評これは驚きました。ファンタジー!?ファンタジーという心の準備が全然できていませんでした。梨木さんがファンタジー??「家守綺譚」もよく考えると不思議な話はたくさんあったけど、あれは日常的なというか、不思議な世界がさも「当たり前」だ....

2007年08月03日 "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!

「裏庭」

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2006年01月09日 日だまりで読書