もみじの本屋 『銀河鉄道の夜 ※最終形 ※初期形[ブルカニロ博士篇]』

『銀河鉄道の夜 ※最終形 ※初期形[ブルカニロ博士篇]』

銀河鉄道の夜『銀河鉄道の夜 ※最終形 ※初期形[ブルカニロ博士篇]』(ますむら版宮沢賢治童話集)
著:ますむらひろし 原作:宮沢賢治 (偕成社)

この本はますむらひろし独特のあの猫の絵で描かれる「銀河鉄道の夜」のマンガである。それも最終形(第四稿)と初期形(初期形三 - 第三稿)の両方が描かれている。
マンガといっても原作に忠実にそして細やかに会話や場面設定などがされているので、「銀河鉄道の夜」の世界観を崩さずに物語を楽しむことができるだろう。

気になるのはやはり初期形である。ますむらひろしは「ブルカニロ博士篇」と名付けているが、これを読むことによって、いま一般に知られている「銀河鉄道の夜」の意味のわからなかった部分が少なからず理解できる。
ブロカニロ博士の言葉、最終形では削られてしまった部分を読むことで、見えてくる部分があるのだ。
そして、あとがきでますむらひろしが書いている言葉を借りると、「賢治の抱えた『科学と心』の入り交じった視線の風景」というものを垣間見ることができる。


(関連書籍)
『イーハトーブ乱入記』 著:ますむらひろし (ちくま新書)

カイロ団長 洞熊学校を卒業した三人『カイロ団長 洞熊学校を卒業した三人』
(ますむら版宮沢賢治童話集)
著:ますむらひろし 原作:宮沢賢治 (偕成社)

『グスコーブドリの伝記―猫の事務所・どんぐりと山猫』
著:ますむらひろし 原作:宮沢賢治 (扶桑社文庫)
『風の又三郎―雪渡り・十力の金剛石』
著:ますむらひろし 原作:宮沢賢治 (扶桑社文庫)
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コメント

オリベ、彼女のもつ雰囲気がとっても好きです♪
インカ帝国の侵略の部分が特に印象に残っています。

まっしろなアンダルシアの町、向日葵畑、実際に見にいってみたいです!

2006 01/15 大葉 もみじ 編集


そうそう、「アンダルシア姫」がまた良い!
さすが、解かってる。違いのわかる方ですね!何だか嬉しい。
あのオリベの精神世界も独特で、しかしシッカリとした価値観があってすごく惹かれます。

2006 01/14 hoy. 編集


hoy.さん、はじめまして。
コメントとTBありがとうございます!

ますむらひろしさんの描く宮沢賢治さんの世界は、不思議ですね。ほんと、あの猫の絵がぴったりとはまっているような気がします。

「アタゴオル」、いいですよね!
昔、友人の家にそろっていたのでかなり読み漁りました。
あの独特の世界観がとても好きです。
あと『アンダルシア姫』も好きです♪

いまは手元には『コスモス楽園記』しかないのですが、ますむらひろしさんの本はゆっくりと集めていきたいと思っています。

2006 01/14 大葉 もみじ 編集


初めてお邪魔します。
ますむらひろしの宮沢賢治は私も好きなんです。
賢治の理解度の深さと、あの猫の絵が妙に合ってて。
ヒデヨシは一見能天気で自由奔放なバカ猫だけど、自然と一体化した感性の豊かさは、おそらく賢治の精神世界から来ているんだと思います。
「アタゴオル」はずいぶん前から私の座右の書です(笑)
ではまた!

2006 01/14 hoy. 編集


かおるや家庭教師のたちが下りるときの「うその神さま」、「たったひとりの神さま」の話の場面ですよね?
あの場面はなかなか印象的ですよね。
初期稿3では、神さまの話に科学がまじってくるというのがおもしろいです。
俳句で「MILKYWAY」という言葉を使うのは新鮮な感じがします。

なかなか斬新な感想文ですね。感想と言うより、一つの解釈のようだとも思います。
個人的にはまた違った解釈をしているので、何かコメントを書くと、批評になってしまいそうだし、自分の解釈を書きだすときりがないので、ひかえておきますが、感想文なんて自由なものだし、「この子気持ち悪い!」はひどいですね。

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イヌイットってあの、カナダのですよね?
イヌイットの家がどんなのかは知らないのですが、伝統的な家ってほんと素敵ですよね。かなり合理的なつくりでもあるし。

「スーホの白い馬」は読んだことがあります。
とてもせつない気持ちになったのを覚えています。
でも『退魔戦記』と『モンゴルの残光』はないです。
機会があれば読んでみたいと思います。特に『モンゴルの残光』のほうは。

「蝦夷共和国」いいですね!自然との調和、カムイあふれる世界好きです。「イヨマンテ」を映像で見たことがありますがほんとにすごいですね。
でも寒いのは苦手なので住むとしたら「琉球王国」の方がいいかなぁ。

2005 12/20 大葉 もみじ 編集


「スーホの白い馬」という本を読んでモンゴルへ行って来ました。(本当は豊田有恒の「退魔戦記」と「モンゴルの残光」ですが)
あの家には憧れるかもしれませんが、暮らすには・・・
馬頭琴と蝿を追い払う為の小さな鞭を買ってきました。
すみません関係ない事書いてエーデルワイスさんのブログから来たので。

2005 12/19 鵺娘 編集


タイトル ジョバンニとカオルの会話から思いつきました。俳句の会では誰も理解出来ませんでした。
文学を志す人がますむらひろしはいざ知らず、宮沢賢治さえ誰も読んでいないのです。
中学の時はジョバンニ、カンパネルラとカオルではなくザネリとの△関係の方に注目して、女の子3人の友情物語として作文を書いた事があります。
ザネリはヤンキーが入っていて他人にちょつかいを出して来るけど「茶目っ気があって可愛い」と評価されるタイプ。ジョバンニはすぐムキになるし性格は暗~いしと噂されるタイプ。カンパネルラは一見、味方の
様に見えるが実は・・・
勿論、教師には理解出来ませんでした。
宮沢賢治は本当は心が狭い人だ。
「世界人類が幸福にならないうちは個人の幸福なんてありえない。」
というのは「俺が不幸なんだからお前らも幸福になるな!」という意味だと書いた時は
「この子気持ち悪い!」
と言われました。

2005 12/19 鵺娘 編集


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アタゴオル物語

「アタゴオル物語(全6巻)」ますむらひろし/朝日ソノラマ S.56年 380円これまた古いコミックで申し訳ない。でも、ほんとマジすっごい好きなんですわ、これ。ヨネザアドはアタゴオルの住人ヒデヨシを知ってるかい?TVCMでも使われたから、見たことはあると思う。能天

2006年01月14日 ふくらはぎの誘惑曲線