もみじの本屋 『二十歳の原点』

『二十歳の原点』

二十歳の原点『二十歳の原点』 (新潮文庫)
著:高野悦子

この本は、1969年立命館大学文学部史学科の3回生だった高野悦子の大学生活の日記である。そして、当時確かに生きていた彼女が鉄道自殺をするまでの日記である。

学園闘争高揚期、いわゆる全共闘時代。今となっては、想像もし難い時代である。だから、その時代背景から日記を紐解くことはおそらく難しいだろう。
しかし、日記から伝わってくる「孤独」や「未熟さ」などに共感することはできる。また、この日記を読むことで、自分自身を見つめ直すきっかけを見つけることもできる。

彼女の死後、日記という形で、これまで多くの人たち影響を与えてきた。それは、もちろん彼女が自殺したということも関係しているであろうが、それ以上に彼女の文章力、そして感性のすごさによるものだろう。たとえば最後の詩など、とても感銘を受ける。

そんな彼女の言葉を掬うてみることは意義のあることである。
特に高野悦子が日記を書いていた二十歳という年代、その年代の人にこの本を読んでみてほしい。きっと何か得るものがあるだろう。

ここからは余談になるが、読んでいる最中彼女の勢いのある文章に、『谷中村滅亡史』を書き上げた荒畑寒村が重なった。
そういえば、荒畑寒村が『谷中村滅亡史』を一気呵成に書き上げたのも確か二十歳の頃だったと記憶している。
二十歳の頃というのは、そういった文章をかくにふさわしい時期なのかもしれない。

(関連書籍)
『二十歳の原点序章』 高野悦子 (新潮文庫) - 絶版 -
『二十歳の原点ノート』 高野悦子 (新潮文庫) - 絶版 -
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●タ行の作家 トラックバック:0 コメント:4

コメント

はじめまして、鵺娘さん。
コメントありがとうございます。

いろいろな価値観をもった人がいますよね。
その国語の先生とは価値観が違ったのでしょうね。
「岩波ホールの支配人?」なんていう冗談を言ってくれる先生ならおもしろいかもしれませんね。だけど、素で間違われるとそれはそれで困るかもしれませんよ。

彼女の物事に対する考え方は、自分とは違ったものであるにしてもやはり、何か思うところはあります。
また本を読んでいて共感はもちろん反感も抱きました。そこがまたこの本のいいところであると思います。
やはり、先ほども書きましたが価値観は人それぞれなので、その部分を刺激してくれる本なんですよね。

2005 12/20 大葉 もみじ 編集


中学生の時、「二十歳の原点」を読んでいたら国語の先生に言われました。
「いやだ、怖い!この子過激派の本なんて読んでる!」
確かに時代が時代ですから学生運動の描写は出て来ますが高野さんは特定思想の持ち主ではありません。
もしそうだったとしても何が悪いのでしょう?
せめて「岩波ホールの支配人?」と言って欲しかったですが、その先生は「本は十分、読んだら眠くなる。」と日頃から口にしている様な方でした。
高野さんも眼鏡娘だった事、アルバイトに対する考え
(私も年齢を誤魔化し働いていた事があります)
初体験を思わせる描写等が印象に残っています。
その後、過激派の本も読み文通をはじめたりしましたがその事は自分のブログに書きます。

2005 12/19 鵺娘 編集


風邪、大丈夫です。日々元気に過ごしてます。
昨日は初雪をみて寒い中はしゃいでました。
韓国は日本より寒いのですね!北海道と同じくらいでしょうか?
寒い時のおすすめは湯たんぽです。布団の中にしのばせておくと寝る時ぬくぬくです♪

この本を読んで考えたことはたくさんあります。
いい意味で心に波を立ててくれました。
内容についても詳しく書こうかとも思ったのですが、あまりに濃すぎるのでためらいました。

かなり昔からある本だし、けっこう有名なので読んだことがあるかもしれませんね。
もしもう一度読まれる機会があれば、ちょっと心の準備をして気合いをいれてから読んだ方がいいかもしれません。

2005 12/18 大葉 もみじ 編集


日本もかなり寒いようで風邪などひいてませんか?
韓国は零下の世界です・・・TT
最高気温0℃!?なカンジで・・・

この本、一度読んだ事があるような気もするのですが、あまり詳しく話が思い浮かびません。
読んでないのかな?日本で一度さがしてみようと思います・・・

2005 12/17 Woo 編集


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