もみじの本屋 『ヴェネツィアの宿』

『ヴェネツィアの宿』

ヴェネツィアの宿『ヴェネツィアの宿』 (文春文庫)
著:須賀敦子

「ヴェネツィアの宿」というタイトルからイタリアの話がメインなのではと思うかもしれないが、そんなことはない。
留学先のイタリアやフランスでの話はもちろん、日本での生活を美しい文章と構成で書き上げている。

戦争の経験、戦後の修道院と寄宿舎と語学学校の混在する空間で生活、パリへの留学、日本が高度経済成長にあるなかイタリアで過ごした日々。
さらには、とても自己中心的で愛人までいる父親、古風で純日本的な親戚。
これらのエピソードがこの本にはつまっている。
また、これらの経験があるからこそ、彼女は、自身の感性を独特なものへと磨き上げていったのであろう。

この時代に生きた人はみなそうなのかもしれないが、波瀾万丈という形容がぴったりな人生を送った須賀敦子。彼女の体験した様々な事柄を見事な描写で描き出したエッセイである。


(関連書籍)
コルシア書店の仲間たち『コルシア書店の仲間たち』
著:須賀敦子 (文春文庫)
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コミュニティ( 本・雑誌 | エッセイ

コメント

須賀さんの紡ぐ文章、とても好きです。ほんと美しいですよね。
また構成も、例えばこの本の最初の話「ヴェネツィアの宿」でフェニーチェ劇場から聞こえてくる音楽から入る回想、そこから展開されていくその後の話、本当に巧いと思わされます。

彼女の訳書はまだ読んだことがないのですが、これから徐々に読んでいきたいと思っています。

2006 02/06 大葉 もみじ 編集


もみじさん、こんばんは。
須賀さんの作品、かなり好きなんです。
ブログには「こうちゃん」と翻訳の「インド夜想曲」しか載せてないんですが、こちらにきて記事を読んだら思わずコメントしたくなっちゃいました。美しい文章と、その感性。記事が魅力をズバリ言い当てていて、また読みたくなりました。

2006 02/05 ましろ 編集


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