もみじの本屋 『夏の庭 The Friends』

『夏の庭 The Friends』

夏の庭『夏の庭 The Friends』 (新潮文庫)
著:湯本香樹実

3人の小学生が「死」に感心をもち、老人が死ぬ瞬間をみるためにあるおじいさんの観察をはじめるのだが‥。
物語が進み小学生とおじいさんの奇妙な交流がはじまる。そしてそのやりとりにどこかあたたかさや懐かしさといったようなものを感じる。

子どもというのは無邪気に残酷なもの。
大人から見ると、残酷なルールのゲームをしたり、相手にひどい言葉を投げかけたり。でも子どもにとっては普通なことで、別段何かひどいことをしているという意識はない。あくまで大人から見てなのである。
そんな無邪気に残酷な子どもの様子をかきながらも、子どもの素直な感受性も巧く描いているとおもう。

読んでいるとふとセミの声が聞こえてきそうになる。夏の冷たく黒い影が、額をつたう汗が、見えてくるような気がする。
夏という季節は「死」というものの陰がもっとも色濃くでる季節かもしれない。
この物語の一番のポイントは夏という季節をとても効果的に使っていることだと読み終えて思った。

(リンク)
→ 夏の庭(湯本香樹実) (ひろの東本西走!?)




  湯本香樹実 トラックバック:1 コメント:2

コメント

はじめまして、こちらにもコメントをしていただいて、ありがとうございます。

お盆は、暑い夏の中心にあるような気がします。
ある意味では日本の夏の象徴のような行事ですよね。
日本では昔から「死」に接する機会が多かったとなにかの本で読んだことがあります。
お墓も街中を歩いていてもよく見かけるし、お彼岸やお盆もあるし。死と寄り添うことで、生が豊かになると考えていたようです。

(安易かもしれませんが)最近では死は少し隔絶される傾向にあるように思います。昔からの日本人の感覚は大切にしたいですね。

夏の子どもの成長はたしかに目に見張るものがありますよね。
みんながみんなと言うわけではないけど、ぐっと大人になる子もよく見ます。

こちらにもコメントしていただきありがとうございました。
不定期更新ですが、またいつでも遊びに来てくださいね。

2006 06/05 大葉 もみじ 編集


はじめまして。

TBさせて頂いたひろ009です。
リンク&コメントありがとうございました。

>夏という季節は「死」というものの陰がもっとも色濃くでる季節かもしれない。

そうですね。日本には「お盆」もあるし、死とか死んだ人のこととかを考える機会も多いですから。

>この物語の一番のポイントは夏という季節をとても効果的に使っていることだと読み終えて思った。

なるほどと思いました。
夏が過ぎると何かが大きく変わったり(子供たちがぐっと成長したり)、大きく変わっていたりとかいうことがよくありますしね。

幅広い作家の作品をお読みのようですね。
またお邪魔させて頂きたいと思います。

2006 06/05 ひろ009 編集


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