もみじの本屋 『永遠の森 博物館惑星』

『永遠の森 博物館惑星』

永遠の森『永遠の森 博物館惑星』 (ハヤカワ文庫)
著:菅浩江

littleappleさんの「備忘録」の記事を読み、読んでみたくなった本。

地球と月の重力均衡点のひとつラグランジュ3に浮かぶ巨大博物館苑、それが‘アフロディーテ’である。
主人公の田代孝弘はこの‘アフロディーテ’の3つの専門部署を取りまとめる‘アポロン’の学芸員のひとり。そして直接接続者のひとりであり、データベース・コンピューター‘ムネーモシュネー’とつながっている。
今日も案山子こと所長のエイブラハム・コリンズに無理難題をたのまれる。

ほかにもいくつかSFとしての設定はあるが、ここまでに書いたことを頭に置いて読んでいれば、SFということを意識せずともすんなり入り込める内容だ。
しかし、こういった背景があるからこそ描かれるストーリー展開には感心させられる。

「芸術にこめられた人びとの想いに触れていく……。優しさと切なさの名手が描く、美をめぐる9つの物語。」(カバー裏表紙より)

「物」の素晴らしさ、技術の高さ、そして人の想いなどに触れながら、「美とは何か」ということもひとつのテーマとして追求していく。
しかし物語の本質はそういったところではない。
これ以上書くと読んだ時の楽しみが減ってしまいそうなので、実際に読んでみて自分自信で確認して欲しい。

ここからは余談になってしまうが、『ななつのこ』『魔法飛行』などのイラストも描いている菊池健のやわらかな絵が素敵だ。

そして、地道な作業を繰り返し、「物」そのものを探したり、「物」の背景を探っていったり、学芸員という仕事も探偵と似ているのかもしれないと読んでいて思った。
推理小説というわけではないが、そういう意味では推理小説好きの人もすんなりと入り込める物語かもしれない。


amazonで見るbk1で見る7&Yで見る楽天booksで見る
関連記事




  菅浩江 トラックバック:1 コメント:4
コミュニティ( 本・雑誌 | SF小説

コメント

littleappleさんのところのレビューを見てから、ずっと読んでみたいと思っていたのだけど、ようやく読み終えることができました。

「ムネーモシュネー」、記憶の女神ですよね。
ギリシャ神話に疎いのでこの女神さまの名前は知りませんでした。
いろんなところででてくるギリシャ神話を模した名称が物語自体をよりさらさらとした綺麗なものにしてくれているような気がします。

夏の読書量、たしかに増えますね。
暑くて、室内ですごす時間が増えるからなのかな。
littleappleさんの「夏の100冊」を参考に、また何か読んでみようと思います♪

2006 08/12 大葉 もみじ 編集


クリエイトさん、はじめまして!

表紙、綺麗ですよね。
菊池健さんの絵はやわらかな感じでとても好きです。
内容もおもしろかったですよ。

本屋で見かけたら、一度手にとってみてくださいね。

コメントありがとうございました。

2006 08/12 大葉 もみじ 編集


記事に名前を書いて下さってありがとうございま~す
さっそく、TBさせていただきますね。
って、ものすごく嬉しいのですけれど(笑)
O(≧▽≦)O ワーイ♪

この本に出てくる「ムネーモシュネー」がなぜか忘れられなくて。
言葉の響きの美しさもさることながら、問題を見つめつつ
全体としてとても優しい視線で書かれているなって
思いました。

もみじさんが、記事になさるとまた違った趣きになって、
再読したくなります。
夏は読書量が増えて困ります~(笑)

2006 08/11 littleapple 編集


おもしろそうな本ですね。表紙もきれいで・・。
一度本屋で見てみます。

2006 08/11 クリエイト 編集


コメントの投稿






管理者にだけ公開する

トラックバック

記事のURL
http://momijibook.blog5.fc2.com/blog-entry-212.html

トラックバックURL
http://momijibook.blog5.fc2.com/tb.php/212-8aafcc69

永遠の森 博物館惑星

なんて懐かしいのだろう。行ったこともなく行くことも叶わない架空の場所なのにこんなノスタルジーを感じさせるSFの創り手は、菅浩江さん地球とはかけ離れた衛星軌道上に浮かぶ、博物館惑星「アフロディーテ

2006年08月11日 備 忘 録