もみじの本屋 『雪屋のロッスさん』

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『雪屋のロッスさん』

雪屋のロッスさん『雪屋のロッスさん』 (メディアファクトリー)
著:いしいしんじ

「ダ・ヴィンチ」で連載していた「本当のしごと」がまとめられた本。
30もの、短くて心に響く物語。

ときに幸せな結末、ときに救われない結末、ときに不思議な結末、読んでいて、まるで童話のようだななんて思った。
舞台もさまざま、名前もさまざま、登場人物もさまざま、だけど共通していることがある。

それは、どの主人公も何かしら抱えてそこにいるということ。
それはうまれた時から背負っているもの、うまれる前から背負っているもの、ある出来事をきっかけに背負ってしまったもの。
それは物語の中の人や動物や物たちだけでなく、読者ひとりひとりもそうであり、この本の物語はそんな部分にうったえかけてくるような気がする。

どの話も印象的だったのだけど、とくに印象深かったものをいくつか紹介する。

「象使いのアミタラさん」
当代一と謳われた象使いのアミタラさんは、じつは象からうまれたと噂されるほど、象と通じ合えるのだ。
インタビューでは「象を使うとき、わたしは、ずいぶん『ぞうになっている』のです」という。そして「『象は象』です。当たり前のようですが、これを知ることがなにより肝心なのです。」と答えている。

『象は象』、たしかに当たり前だけど、いろんなことに対して人は当たり前の見方ができないときがあるんだよなと、感心してしまった。

「ポリバケツの青木青兵」
この話は、藤枝静男の『田紳有楽』を読んでいるような愉快さがあった。
『田紳有楽』は池の底のグイ呑みの話であるが、「ポリバケツの青木青兵」はタイトルの通り、ポリバケツの話である。
これがなかなか人情味のあるポリバケツでおもしろい。

「ショウロ豚のルル」
「黒いダイヤ」と称されるほど珍重されるショウロを探す、ショウロ豚ルルは並はずれて優秀だった。
しかしルルは目が見えなかった。
ルルの飼い主のジジはボーっとしたたちで、男や子どもたちにからかわれていた。
そこに3頭のショウロ犬を引き連れて、男がやってきた。

この話の結末は童話というよりもおとぎ話のようで、愉快というわけではないのだけど、おもしろかった。

ほかにも「なぞタクシーのヤリ・ヘンムレン」や「似顔絵描きのローばあさん」や「旧街道のトマー」など、とにかくユニークな話がたくさんあるので、是非手に取ってみてほしい。

(TBさせてもらった記事)
→ 雪屋のロッスさん(まっしろな気持ち)
→ いしいしんじ【雪屋のロッスさん】(ぱんどら日記)
→ 雪屋のロッスさん      ~いしい しんじ~(My Favorite Books)


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  いしいしんじ トラックバック:3 コメント:4

コメント

>ホームページ制作「ホームページ さま
はじめまして!
コメントありがとうございます。
この本は、30の物語のどれもが印象深い話でおもしろかったです。
素敵な本なので、是非どうぞ。
また、いつでもいらしてくださいね♪

2006 09/14 大葉 もみじ 編集


こんにちは。
興味深い本ですね。早速店頭で手にとって見たいと思います。いつも面白そうな本を紹介していただいてるので、とても参考にしています。これからも更新、楽しみにしております。突然のコメント、失礼しました。

2006 09/14 ホームページ制作「ホームページ 編集


>ましろさん
こんばんは。

同じく迷ったので、「記事を書くときにすごく迷った」っていうの、すごくわかります(笑

「象使いのアミタラさん」は読んでいて、なんだかとても‘自然’な話だったので、印象深かったです。
そして、結末が驚きでした。でも悲しいというわけじゃなく、むしろすがすがしさのようなものを感じました。

「自分自身でソレを認識できるときというのが、
人生でいうところの自分なりの節目なのでしょうか。」
たしかにそうかもしれませんね。
そしてソレはすごく近くにあるのになかなか気づきにくいモノなのかもしれませんね。

コメント、ありがとうございました♪

2006 09/13 大葉 もみじ 編集


こんばんは。この作品は、どれもよかったですよね。
書ききれないくらいにたくさんの物語なので、
記事を書くときにすごく迷ったのをよく覚えています。
同じ「象使いのアミタラさん」を挙げてらっしゃったので、
なんだかとても嬉しい気持ちになりました。

それから、確かに何かを背負ってましたね。どの登場人物も。
自分自身でソレを認識できるときというのが、
人生でいうところの自分なりの節目なのでしょうか。
いろいろ感慨深く拝見させていただきました。

2006 09/13 ましろ 編集


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