もみじの本屋 『楽園のつくりかた』

『楽園のつくりかた』

楽園のつくりかた『楽園のつくりかた』 - 児童書 -
著:笹生陽子 (角川文庫)

この物語のの主人公の名前は星野優。
エリートコースまっしぐらにつきすすむという人生設計をしている、中学2年生。受験競争に負けないために勉強に励む偏差値人間。
そんな優は突然、母親と一緒に、父親の実家に引っ越すことになる。
当の父親は海外赴任で三年前からシンガポールに住んでいる。

引っ越し先はド田舎で、祖父は少し痴呆気味で優のことを父親の名で呼ぶ。
学校には同級生は3人だけ。サルのような男の子に、前髪で目元も見えずマスクをしている女の子、そして色白で美人でアイドル系の子。
優にとっては最悪の環境ということになる。
そんな中、唯一の救いは自分のことを理解してくれている父とのEメールのやりとりなのだが‥。

この著者の作品は、あっさりさっぱりしていて、ストーリーもテンポよく進んでいくので読みやすい。
そして読後感もすっきりとしたものなので、途中何が起ころうと、安心して読んでいられる。

以下、蛇足的感想。
実は住む土地によって、人の価値観さえも大きく変わってしまう。
都会に住んでいた主人公が田舎へ行くことで、はじめはまわりとの価値観の違いにとまどっていたのだろう。
しかし、そこに住むことで、その土地の風土や文化に触れていることによって徐々に価値観そのものが変わっていってしまうのだ。
なんていうことを考えたが、この主人公の場合は価値観の相違だけでなく田舎、いやむしろ引っ越し先にとけ込めない理由があったので微妙なところだが。
それでも、田舎のおおらかな空気というものはいいなと思う。

(TBさせてもらった記事)
→ 楽園のつくりかた/笹生陽子 (ディックの本棚)


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コミュニティ( 本・雑誌 | 児童書

コメント

>ディックさん
児童書のよさは、個人的にはなんといっても後味の良さかなと思います。
笹生さんの作品の後味のよさも好きですが、森絵都さんや湯本香樹美さんの作品もよいですよね♪

児童書、たくさん読んでおられるのですね!
またディックさんのblogでおもしろそうな児童書を探してみようと思います。

コメントありがとうございました。

2006 09/17 大葉 もみじ 編集


ここ2年ほど、かなりの分量の児童向け小説を読んできて、最近ぼんやりと、「森絵都さんとか、湯本香樹美さんとかと比較すると、笹生陽子さんはちょっと物足りないなあ」などと考えていたことがあります。
まあ、大人の自分が読んでいるわけですから、児童小説としてどうかは別問題ですが…。
それで大場もみじさんのコメントで本書を思い出し、「ああ、でも『楽園のつくりかた』はよかったぞ」と、再確認している次第です。

2006 09/17 ディック 編集


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