もみじの本屋 『夢の樹が接げたなら』

『夢の樹が接げたなら』

夢の樹が接げたなら『夢の樹が接げたなら』 (早川文庫)
著:森岡浩之

「HappyTalk & Cooking」のピンチさんの記事を読んで読みたくなった本。
表題作で第17回ハヤカワ・SFコンテストに入選したの「夢の樹が接げたなら」をはじめ、S-Fマガジンに掲載された8編のSF作品が収められている。
どの作品もSFならではの世界観が緻密に組み上げられていて、読む者をその世界へと引き込んでいく。

「夢の樹が接げたなら」は社内言語や個人言語などの人工言語が飛び交う世界が舞台。主人公の矢萩織男は言語デザイナーとして働いているのだが婚約者の弟の異常をきっかけに、危険な未知の言語を追っていくことになる。
その言語は言語としての構造自体が全く異なるものであった。
危険を感じながらも織男はその言語に近づいていくのだが……。

他にも食べるために理想の女性をつくりあげた男とその女性を救おうと試みるキャスターを描く「スパイス」、すべてがクレジットで済まされ現金の存在しない世界で突然男のカードの残高が∞になる「無限のコイン」、近未来とも異世界ともまた過去ともとれるような設定で展開される「代官」、ある環境の中でさまざまなモノを名付けながら生活する男の子たちの話の「ズーク」など、本当に多彩な8編である。

いずれも1990年代に書かれたもので、SF作品を多く読んでいる人には多少新鮮味に欠けるかもしれないが、科学技術のもたらす問題、新しい世界、そして人の進化などが巧みに描かれた傑作である。

(TBさせてもらった記事)
→ 夢の樹が接げたなら (HappyTalk & Cooking)


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●マ行の作家 トラックバック:0 コメント:2
コミュニティ( 本・雑誌 | SF小説

コメント

>ピンチさん
こんにちは。コメントありがとうございます!

うんうん、発想がユニークですよね。
そんなユニークな発想の中で展開される物語がちゃんと成り立っているのがすごいと思います。
いちばん衝撃的だったのはやはり「スパイス」ですね。
あと「夜明けのテロリスト」もラストを飾るのにふさわしい作品だと思いました。あの結末はすごいです。

参考に書いておくと、最近読んだ本のなかでお薦めなのはいしいしんじさんの『トリツカレ男』と梨木香歩さんの『家守綺譚』です。
両方とも文庫本で380円と値段もお手頃。
まだ未読で興味があれば是非どうぞ!

2006 10/10 大葉 もみじ 編集


もみじさん、こんにちは。
TBとご紹介ありがとうございます。
この小説は結構好きで、友人に勧めたりもしていたんですよ。
発想がユニークで、でもどこと無く完成されていないような所に親しみを感じていました。
もみじさんの記事を読んで久々に再読してみたくなりましたよ。
でも私の記事を今回振り返って読んでみましたが、なんか恥ずかしいですね。私も若かったようです(^^;)。

最近もみじさんの記事が頻繁にアップされているので、毎回楽しみに拝見しております。
読んでみたい本もたくさんあって、秋の夜長が楽しみです。
また、いろいろ参考にさせてくださいね(^-^ )♪。

2006 10/09 ピンチ 編集


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