もみじの本屋 『アジアンタムブルー』

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『アジアンタムブルー』

アジアンタムブルー『アジアンタムブルー』 (角川文庫)
著:大崎善生

「青春文学の名作『パイロットフィッシュ』につづく、慟哭の恋愛小説。」(裏表紙より)

そう、この作品は『パイロットフィッシュ』へと続く小説である。そして慟哭の恋愛小説、純愛小説である。
アダルトの編集部に勤め始めて十数年、33歳の山崎隆二が思い返す、葉子とすごした日々。

現在の山崎から、ヒューズやヒロミの思い出、中学時代の原罪、高校時代の先輩との体験、そして葉子と出会ってからの数年間が振り返られる。
そして現在の山崎はというと、デパートの屋上でただ毎日を過ごしている。そして中川宏美という女性と出会うことになる。

この作品の魅力はやはり、続木葉子という女性の存在が大きい。
山崎と葉子がお互いを慈しみ合い、愛し合って過ごすニースでの数日間は、本当に美しく描かれている。
また、意外と大きな存在なのがSMの女王ユーカである。
彼女もまたこの作品をもり立てる魅力的な女性の一人だ。

ちなみにアジアンタムブルーとは作中の説明によると「アジアンタムの憂鬱」、水が不足すると葉っぱがちりちりになって丸まり、それがみるみるうちに全体に広がってしまう現象のこと。一度丸まりはじめたアジアンタムは最終的にはもとに戻らないのだそうだ。
このアジアンタムブルーが何を表しているかということは、読んでみれば一目瞭然である。そしてそれを思うとこのタイトルだけでもすこし切なくなってしまう。

(いいなと思った記事)
● アジアンタムブルー (海の色、空の色。)
 ……「優しさ」も作品のテーマの一つだったのだと再認識。
● アジアンタムブルー (読書感想文 と ブツブツバナシ)
 ……「それにしても、主人公って・・」っていう最後の一文に激しく共感(笑
● ◎◎「アジアンタムブルー」 大崎善生 角川書店 1500円 2002/9 (「本のことども」by聖月)
 ……「パラレルワールドストリー」というところに納得。


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以下はどうしても気になった部分を少しだけ述べようと思う。
批判的なものなので、読みたい人だけどうぞ。

残念なのは、『パイロットフィッシュ』との関連の部分。
友人の森本や死ぬ間際の紋白蝶の話、山崎の方向音痴、そして登場人物、がんばって関連部分を見せているのだが、やはり気になってしまう。

山崎自身の描写。本書で経験したこと、得たものが『パイロットフィッシュ』の山崎には反映されていないということ。
そして『パイロットフィッシュ』の中にでてくる会話で山崎が「アジアンタムブルー」について知らなかったこと。

『パイロットフィッシュ』を先に書いたということでいくつかは目をつぶることができたが、この二つの違和感は大きい。
別の作品として描いた方が『パイロットフィッシュ』、『アジアンタムブルー』の両作品にとってはよかったのかもしれない。

ところで、あまり映画の「アジアンタムブルー」には興味がないのだが、高島礼子が由希子役ででると聞いた。由希子は本では『パイロットフィッシュ』にしか登場しない。彼女をこの作品のどこに登場させるのかというところには少し興味がある。

(関連書籍)
パイロットフィッシュ『パイロットフィッシュ』
著:大崎善生 (角川文庫)
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  大崎善生 トラックバック:3 コメント:8
コミュニティ( 本・雑誌 | ブックレビュー

コメント

>ぴーちさん
こんにちは。
映画、見られたのですね!
記事を拝見させていただいたのですが、人物の背景などはけっこう脚色されているようですね。でも映画のほうがよりわかりやすい設定かもしれません。

ピーチさんのコメントで、映画の中でのユーカの描かれ方も気になってしまいました。本しか読んでないのですが、ユーカはとても素敵な女性ですよね♪

2007 07/11 大葉 もみじ 編集


こんばんは!
小説読まずして、DVD観賞に走ってしまいました(汗)多少のずれなどはございましょうが、映画もとても素敵な印象で終わりました。お約束どおり、。。泣きました(TOT)
SMの女王さんの存在、確かに大きかったです!彼女の性格大好きですね!ある意味、葉子よりも性格が良いです!
では、またお邪魔させていただきますね!

2007 07/11 ぴーち 編集


>七色さん
同じく『パイロットフィッシュ』より『アジアンタムブルー』のほうが好みです。
純愛がというより、作品としての完成度が『アジアンタムブルー』のほうが高いように思うので‥。

ニースでの数日間は神聖な雰囲気さえただよってますよね。
映画はいまだにチェックしてないのですが、もし見られたらまた感想などおしえてください♪

2007 04/16 大葉 もみじ 編集


アジアン~もパイロット~もこの間読みましたw
映画化されてるんですね?知らなかった、チェックしてみよう…
パイロットはそうでもなかったのですが、アジアン~で彼の作品が好きになりました。
純愛が好きなんで*

2007 03/29 七色 編集


>ぴーちさん

> 純愛物ですか!
> 私はどちらかというと、そちら系の方が
> 好きですね!

でしたら是非、お薦めします。
もし『パイロットフィッシュ』を読んでいなくても、全然問題なく楽しめると思います。
来月には阿部寛さんと松下奈緒さん主演で映画も公開されるそうですし、一足早く作品を読んでみるとよいのではないでしょうか。

2006 10/29 大葉 もみじ 編集


純愛物ですか!
私はどちらかというと、そちら系の方が
好きですね!

2006 10/29 ぴーち 編集


>ぴーちさん
おはようございます。
この本は、純愛系がお好きならばお薦めです。
ニースでの描写がほんとに素晴らしいと思います。
個人的には村山由佳さんの『天使の卵』よりも好きです。

2006 10/28 大葉 もみじ 編集


こんばんわ^^
この本、この間
書店で見かけました!が
まだ読んでいません・・・。
ご紹介いただいて
ありがとう!

2006 10/27 ぴーち 編集


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「アジアンタムブルー」大崎善生恋人を失った主人公が、バラバラに散在する記憶のピースと向かい合い、それぞれを埋めていくように、その恋人との思い出の居場所を探していく主人公は、パイロットフィッシュと同じ。その頃よりも、ちょっと前の話。...

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2006年10月27日 「本のことども」by聖月

◎◎「アジアンタムブルー」 大崎善生 角川書店 1500円 2002/9

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2006年10月27日 「本のことども」by聖月

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