もみじの本屋 『コッペリア』

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『コッペリア』

コッペリア『コッペリア』 (講談社文庫)
著:加納朋子

自己顕示欲が強く人形のような容姿の聖、エキセントリックな天才人形作家の如月まゆら、人とのつきあいに息苦しさを感じ人形に恋する了、登場人物たちは皆どこかしら歪みをもって生きている。

如月まゆらの作った人形に恋してしまった了。そしてその人形と瓜二つの容姿をもつアングラ劇の女優聖。
読み始めは視点の移り変わりに慣れていなければ多少戸惑うかもしれないが、読み進めていくとだんだんと全体像が見えてくる。
しかし、よくよく読んでいると妙な違和感を覚えるだろう。
その理由は書いてしまうとおもしろくないので是非読んで確かめてほしい。

この作品はアングラ劇にもすこしばかりスポットをあてている。作中にはこんな記述もある。

…… 容姿、演技力共に優れた才能あふれる人材がこの世界にはごまんといる。決して記録に残ることがなく、だからこそ、その一瞬にすべてのエネルギーを賭ける人間が、山といるのだ。
 アングラ劇とは文字どおり、地下でうねるマグマだ。景気よく噴火して地表に飛び出すのはあくまでごくごく一部で、大部分は地下深いところで凄まじいまでのエネルギーをたぎらせ、うねり、対流している。



これを読んだときちょっと嬉しかった。
そして加納朋子の描くアングラ劇の青春ストーリーなんていうのも読んでみたいななんて思ってしまった。

さて、『ななつのこ』『魔法飛行』の解説ではそれらの作品のことを「きれいなガラス玉に糸を通して首飾りができ上がるように」と表現されていた。そのように巧い表現はできないが、この『コッペリア』はまるで「あやとり」を見ているような感覚だった。つぎつぎと形が変わっていく糸を見ているのは不思議で、だけどその見事さに思わず見入ってしまうのである。

ここからは個人的な感想を少々書くことにする。
この作品は「新たな試み」、「新境地」などと言われている。たしかにこれまでの加納朋子作品とは少し色合いが違う物である。
しかし第3章を描いているところに加納朋子らしさを感じた。
つまり、ミステリー作品としての完成度を考えるならば、2章まででとめておいたほうがすっきりしていたと思うのだ。もちろんもっと解説はつけ加えるべきであるが。しかし3章を書くことで、全体が加納朋子らしいやわらかさあふれる作品へと変質する。これはファンとしてとても嬉しかった。そして、こういう作品でさえも加納朋子らしさをだせること、読者に安心感を与えられることに改めて感心させられた。

やはり加納朋子作品は大好きである。



by ヨメレバ

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  加納朋子 トラックバック:0 コメント:2
コミュニティ( 本・雑誌 | 推理小説・ミステリー

コメント

>七夕の夜さん
はじめまして!コメントありがとうございます。
「ななつのこ」のシリーズ、とてもいいですよね♪大好きです!!
「コッペリア」は加納さんの作品の中ではすこし毛色が異なる作品ですが、これはこれでおもしろかったです。
そして、何度もやっぱり加納さんの作品が好きだなって実感しました。
去年出版された『モノレールねこ』は『ありがと。』という本の中で一部分だけ読みましたが、加納さんらしさ溢れる作品で嬉しくなりました♪
これからの活躍にもますます期待ですよねw

更新はマイペースで遅いのですが、またいつでもお越しくださいね!

2007 07/11 大葉 もみじ 編集


はじめまして。
ブログサーフィンで来ました。
私も加納朋子さんの作品が大好きです。
特に「ななつのこ」シリーズが大好きです。
「コッペリア」は私も妙な違和感を感じました。最後に、ひっかかっていたものは全て解決しましたが。
これからもちょくちょくお邪魔したいと思いますので、よろしくお願いします。

2007 07/10 七夕の夜 編集


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