もみじの本屋 『殺人!ザ・東京ドーム』

『殺人!ザ・東京ドーム』

殺人!ザ・東京ドーム『殺人!ザ・東京ドーム』 (講談社文庫)
著:岡嶋二人

「密かに日本に持ち込まれた南米産の猛毒クラーレ。巨人対阪神戦に沸く東京ドームで、この毒を塗った矢による殺人事件が発生した。大観衆五万六〇〇〇人の面前にもかかわらず、犯行現場の目撃者は皆無。……」(裏表紙より)


あらすじはまさに上記の通りである。
この作品は推理ものではなくサスペンスなので、最初から毒を持ち込んだ人物や殺人犯が誰なのかがわかっている。
またなぜ犯人が犯行に及んだのかについても読者は犯行が行われる前から知っているのだ。

この本のおもしろいところは、ひとつは久松敏彦という登場人物の描写である。周囲からずっと馬鹿にされ続けてきて自分に自信をもてなかった彼、虫を針でとめて写真を撮るという趣味もち、珠美という家の近くのクリーニング店の店員に恋している。そんな彼がある日突然大きな力を手に入れるとどうなるのか。

犯人や警察など登場人物の思考もまたおもしろい。犯人の真意と警察や犯人を脅迫する人物が考えていることとのずれを読者は楽しむことができるのである。

テンポもよいので、飽きることなく最後まで楽しむことができる。
この作品は『99%の誘拐』と同じく1988年の作品であるが、岡嶋二人の作品にはやはり時代の先見性というものを感じさせられ驚かされる。


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