もみじの本屋 『星の巡礼』

『星の巡礼』

星の巡礼『星の巡礼』
著:パウロ・コエーリョ 訳:山川紘矢、山川亜希子 (角川文庫ソフィア)

神秘の扉を目の前にして最後の試験に失敗し、奇跡の剣を手にすることができなかったパウロ。ふたたびその剣を手にするために残された唯一の道は、「星の道」と呼ばれる巡礼路を旅して、自分でその剣を見つけることだった。師ぺトラスに導かれて、ピレネー山脈からサンチャゴへと続くスペインの巡礼の道を歩くパウロに様々な試練が課せられる。が、それは人生の道標を見つけるための偉大な旅であった……。自らの体験をもとに描かれた、スピリチュアリティに満ちたパウロのデビュー作。(裏表紙より)

裏表紙に書かれてあるこれが、物語のほぼ全貌である。
巡礼の旅を描いた話なので、どうしても宗教色の濃い作品である。しかし、宗教書というよりも哲学書に近いだろう。

巡礼の途中ぺトラスから課される実習について、細かな方法についても各話の終りに書かれており、実践できるようになっている。そのなかの「スピードの実習」なんて、やってみてもいいかもしれない。やり方は簡単で、20分間普段の2分の1のスピードで歩くというもの。いろいろとこれまで見えていなかったものが見えてきそうである。

いつも感じるのだが、パウロ・コエーリョの本には真理を追究する論理的思考と神秘性が兼ね備えられている。またある思考に対し、否定的な立場のものも描かることで、全体としてつり合いがとられている。そのあたりがとてもおもしろいと思う。
さらに、そういった場面を読むことで読者自身の思考をも促してくれる。

何が真実か、何を信じるか、自分自身の中にある答えを、パウロ・コエーリョの本はほんの少しかき混ぜてくれる。それによってそれまで見えていたものの別の形、それまで見えていなかった新しいものなどが見えてくるのかもしれない。


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