もみじの本屋 『秘密の花園』

『秘密の花園』

秘密の花園『秘密の花園』 (光文社古典新訳文庫)
著:フランシス・ホジソン・バーネット 訳:土屋京子

昔、読んだ記憶はあるのだが、内容はうろ覚えで、梨木香歩の『『秘密の花園』ノート』を読み、再読したくなった。手元にはなかったので、本屋でいくつかの出版社のものを見てみて、個人的に読みやすいと感じた光文社古典新訳文庫のものを購入。買った時の感想はこんなに厚い本だったかな?と。

それはさておき内容であるが、裏表紙の説明をそのままのせると、

インドで両親を亡くしたメアリは、英国ヨークシャーの大きな屋敷に住む叔父に引きとられ、そこで病弱なコリン、動物と話ができるディコンに出会う。3人は長い間誰も足を踏み入れたことのなかった「秘密の庭」を見つけ、その再生に熱中していくのだった。

とある。
たしかにその通りの話であるが、注目すべき内容はその出来事のなかで起こっていくメアリとコリンの変化、成長だと感じた。

メアリはインドでは親にほったらかしに(放置)され、メアリの言うことを何でもきく召使いに面倒をみられていた。それが突然環境が変わりヨークシャーへ行き、そこでの召使いのマーサや庭師のベン・ウェザースタッフやコマドリやコリン、ディコンたちと出会い、自分で地に足をつけて立つようになっていく。これは『『秘密の花園』ノート』の梨木香歩の解釈では無機質だったところに徐々に動植物などの生命が溢れていく様子と対比されながら描かれているというのであるが、読んでみて本当にその通りだなと思った。
コリンも屋敷の奥に寝たきりで閉じこもり、わがまま放題に育っていたところに、メアリと出会い、またディコンと出会い変わっていく。この二人の変化は読み進めていくとどんどんと清々しく、また読者も喜びが満ち溢れてくるようである。

またイギリス文学でよく登場するヨークシャーが舞台である。
個人的にはヨークシャーというと豚の品種思い浮かべてしまうが、文学が好きな人だと『嵐が丘』、舞台が好きな人だと『ヨークシャーの悲劇』などを思い浮かべるかもしれない。
ヨークシャーは荒々しい大自然のイメージが強いが、本書では、もちろんそういった部分も描かれているが、それ以上に力強い生命力に満ち溢れた、美しい自然豊かな土地として情景豊かに描かれている。

100年も前に書かれた作品であるが、今読んでもまったく色あせることのない名作である。
梨木香歩の作品が好きな人ならば、是非『『秘密の花園』ノート』と合わせて読んでみるといいのではないだろうか。




(関連書籍)
秘密の花園ノート『秘密の花園』ノート
著:梨木香歩 (岩波ブックレット)

→ レビュー
関連記事




●外国人作家 トラックバック:0 コメント:0

コメントの投稿






管理者にだけ公開する

トラックバック

記事のURL
http://momijibook.blog5.fc2.com/blog-entry-366.html

トラックバックURL
http://momijibook.blog5.fc2.com/tb.php/366-14f97c0e