もみじの本屋 『気障でけっこうです』

『気障でけっこうです』

気障でけっこうです
『気障でけっこうです』 (角川文庫)
著:小嶋陽太郎

女子高生のきよ子が公園で出くわしたのは、地面に首まですっぽり埋まったおじさんだった。
「人生の小路に潜む、落とし穴にはまり…」と間抜けな格好で嘆く男。
きよ子は助け出そうとするも、途中で車にはねられ病院へ。
その後、目を覚ましたきよ子の前に、なんとあの男が現れた。

「私、死んじゃったんですよ」

そう、幽霊となって ―― 七三分けの気弱な幽霊と今どき女子高生の奇妙な交流を描く、切なく不思議な新感覚の青春小説。
(裏表紙より)


小嶋陽太郎のデビュー作で、第十六回ボイルドエッグズ新人賞受賞作である。

女子高生がいきなり、公園の地面に埋まっているおじさんと出会うという、わけのわからないシチュエーションから始まる。
そして、女子高生は車にはねられ、おじさんはそのまま死んだ。いきなりのバッドエンド。
物語の始まりから衝撃的である。

そして幽霊としてでてくるおじさん。
おじさんが語る死んだ後の世界のシステムはおもしろい。

また女子高生の描写、とくに口の悪さが巧いと思わされた。

デビュー作ということで、ディテールの甘い部分も多々あるが、それを補ってあまりある勢いを感じた。

4作目の『こちら文学少女になります』は既読であり、そちらにも「文に勢いがあると感じた」と書いていたが、この「文の勢い」はデビュー当時からの著者の持ち味ということなのだろう。

今後も楽しみな作家である。





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