もみじの本屋 『朝霧』

『朝霧』

朝霧『朝霧』 (創元推理文庫)
著:北村薫

シリーズ第5作である今回は、「私」は卒業論文を書き上げ、大学を卒業。小さな出版社の編集者として働きはじめる。
この本には「山眠る」、「走り来るもの」、「朝霧」の3編収まっているのだが、そのなかの「山眠る」で田崎先生が「私」にこういう。

「いいかい、君、好きになるなら、一流の人物を好きになりなさい。(中略)本当にいいものはね、やはり太陽の方を向いているんだと思うよ。」 (本文より)

このセリフが心に響いた。また、最後に「私」が本郷先生にいうセリフも好きである。
「走り来るもの」のリドルストーリーや「朝霧」ででてくる「私」の祖父の日記の謎もおもしろい。
このシリーズをずっと読んでいくと点と点が線でつながる瞬間がある。それがなんとも心地よく、そして「ああここでこうつながるのか」と驚かされる。それは一編の話のなかであったり、一冊の本の最初と最後であったり、ときには前作との関連であったりするのだが。
blog「まっしろな気持ち」でましろさんがいろいろと詳しく書いてくれているので、そちらもどうぞ。

→ 朝霧 (まっしろな気持ち)



(関連書籍)
『空飛ぶ馬』 北村薫 (創元推理文庫)
『夜の蝉』 北村薫 (創元推理文庫)
『秋の花』 北村薫 (創元推理文庫)
『六の宮の姫君』 北村薫 (創元推理文庫)
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  北村薫 トラックバック:0 コメント:2

コメント

コメントありがとうございます。
このシリーズの雰囲気、ほんとにいいですよね。
「私」に向かって言う、周囲の人たちの言葉が自分に言われているような気がして、心に残ったりします。
このシリーズを読んで落語に興味をもちました(笑

2005 04/06 大葉 もみじ 編集


トラックバック&記事へのリンク、ありがとうございます。
北村薫氏のこのシリーズは、何とも心地のいい雰囲気ですよね。田崎先生の言葉はいつまでも心に余韻を残していますし、リドルストーリーのような謎解きや円紫さんの語り口はすっきりしたシンプルさを感じるやはり心地のよいもの。通常の人がたくさん死んでしまうようなミステリーとは違った佇まいも大好きです。

2005 04/05 ましろ 編集


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