もみじの本屋 『中原中也詩集』

『中原中也詩集』

中原中也詩集『中原中也詩集』 (新潮文庫)
著:中原中也 編:吉田生

中原中也は生前『山羊の歌』と『在りし日の歌』の2冊の詩集をだしている。死後も様々な形で中原中也の詩集は出されているが、基本的に生前に出している2冊をメインに、他にノートなどに書き残されていた未発表作品を収録することが多いようだ。この新潮社から出された詩集もそんな中の一冊である。
中原中也の詩を全部知っているわけではないので、確かなことはわからないのだが、この一冊に彼の詩のほとんどが網羅されているのではないかと思う。そして、その編集の仕方にも好感が持てる。ただ詩の終わりや詩の始まりがページの境目にきたりしているものは少し見にくいので、そこにもう少し配慮してほしかった。
中原中也の詩で個人的に好きなのは「生ひ立ちの歌」である。一部抜粋してみることにする。

私の上に降る雪は
いとなよびかになつかしく
手を差伸べて降りました
(本文より)


有名な「一つのメルヘン」にしてもそうなのだが、彼の言葉の選び方や書き方など表現全体がほんとに繊細で、とても美しいと感じる。
この本でなくても、是非、中原中也の詩に一度は触れてみてほしい。
関連記事




●ナ行の作家 トラックバック:1 コメント:7
コミュニティ( 本・雑誌 | 詩集

コメント

ネットで検索してみたら『ゆきてかへらぬ 中原中也との愛』という本がヒットしました。
手に入りにくそうな本なのですが、機会があれば読んでみたいです。
あと『新潮文学アルバム』も今度立ち読みしてみます。

ドラマもやっていたのですね。是非見てみたかったです。
基本的にテレビをあまり見ないので、なかなかそう言ったドラマも見る機会が少ないのです。
でもこのあいだやっていた「1リットルの涙」のドラマは見ましたが。

2005 12/25 大葉 もみじ 編集


三上博史が中也をやったドラマ(ご存じですか?)では樋口可南子が長谷川泰子でした。
今ならさしずめ緒川たまきでしょうね?
本物の顔は新潮文学アルバムで見られます。

纏足先生は「多分言うだろうな?」と思った通り
「君の場合はさしずめ『暗い方に、暗い方に』だね?」とやっぱり言いました。
松たか子のドラマでは弟より夫の気持ちの方が分かったのは私だけでしょうか?
実はその前に小林綾子がみすずをやっているのですよ!

2005 12/23 鵺娘 編集


長谷川泰子さんという方を存じ上げないのですが、作家さんなのでしょうか?どんな感じの方なのかな。

誰々に似ているというのは、別の誰かに自分の性格などを伝える時に便利ですよね。
例えそれが合っていてもいなくても、第三者から見た印象の一面には間違いないですしね。

確かに中原中也も芥川龍之介も暗いという形容は必ずしも間違ってはいないと思いますが、その二人の暗い部分は全然別のところだと思います。
そしてこの二人を暗いというのであれば、宮沢賢治などもまた暗いと言えそうですね。
そもそも文人たちはたいてい暗いものなのかもしれません。明るそうに見える菊池寛でさえ、ある種の陰をもっているように思います。・・例えが悪いかな。

金子みすずの詩は全体的な雰囲気としてはあまり好みではないのですが、いくつか好きなものもあります。

顔立ちの話はやはり長谷川泰子さんを知らないので・・。

「僕もういかなきゃなんない」という詩、これまた知らないです。家族がテーマの詩なのでしょうか?読んでみたいです。

2005 12/22 大葉 もみじ 編集


「僕もういかなきゃなんない」という詩をご存じですか?
「お父さんに優しくしてあげて」という一行が特に印象に残っています。
失業かなにかをきっかけに荒んでいる父。
それを罵る母。
お父さんの辛い気持ちも母の気持ちも分かる少年。
自分さえいなければまた二人は仲良く出切るのではと
家を出るこんな光景を思い描きました。

2005 12/21 鵺娘 編集


例の先生は中原中也や芥川龍之介の事は「暗~い」人
としか言いませんでした。
私の名前を覚えられない訳でもないのに「そこの大きい子」と呼ぶのも  でしたね!
「教科書はあまり好きじゃない」と言って金子みすずの詩のプリントを配ったりしていました。
「海の底ではお弔い」の詩を読んだ私の感想は
「生簀のお魚が可哀そうと言いながら平気で食せる女」
ところで泰子とみすず、顔立ち的には遠くないと思うのですが?

2005 12/20 鵺娘 編集


コメントありがとうございます。
詩人さんは中原中也、銀色夏生、谷川俊太郎が好きですね。好きな詩はといわれると、他の人のものもたくさんありますけど、全体的な雰囲気となると今はこの3人です。
ぜんぜん毛色のちがう3人ですけどね(^^;)

2005 04/25 大葉 もみじ 編集


もみじさん、こんばんは!
中原中也、大好きです!
詩といえば、中原中也と萩原朔太郎が好きなのです。
ゆや~んゆよんゆやゆよん
また来ますね!

2005 04/19 ぱんだ 編集


コメントの投稿






管理者にだけ公開する

トラックバック

記事のURL
http://momijibook.blog5.fc2.com/blog-entry-69.html

トラックバックURL
http://momijibook.blog5.fc2.com/tb.php/69-f837ee79

6/16 中原中也×3

好きな詩シリーズ第2弾:中原中也 「在りし日の歌」より「汚れっちまった悲しみに」  汚れっちまった悲しみに今日も小雪の降りかかる汚れっちまった悲しみに今日も風さへ吹きすぎる汚れっちまった悲しみはたとへば狐の革袋汚れっちまった悲しみは小雪のかかってちぢこまる

2005年06月20日 負け犬以上、勝ち犬未満。