もみじの本屋 ●ア行の作家

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『モザイクの馬』

モザイクの馬『モザイクの馬』 - 絵本 -
文:小薗江圭子 絵:和田誠 (講談社)

「まえがき」と17の話からなっている。
17の話はみんな‘お話をする馬’から聞いた話である。

どの話もユーモアがあり、終わり方も愉快で思わずクスリと笑ってしまう。
例えば「うたう木馬」では、動かすとキーキー変な音がする木馬が最後には揺れるたびにコーラスが聞こえてくる素敵な木馬になる。

また表題作の「モザイクの馬」では何世紀もそこにいたモザイクの馬が退屈をしていたところ、最後には違う景色が見られるようになる。

見開きの2ページに1つの話と絵がかかれているので、どのページを開いても楽しむことができる。
寝る前に適当に開いたページの話を読んで、ほのぼのとした気持で眠りに落ちるなんていうのもいいだろう。

(収録作品)
まえがき
シロツメクサの原っぱ
もとは名馬
うたう木馬
ユニコーン
泥棒と馬
ちいさな馬
ホース・ラディッシュ
ラクダ
鼻の差
スイート
回転木馬
辻馬車
モザイクの馬
縞馬
王様の馬たち
ペガサスの目玉焼き
馬蹄投げ



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コミュニティ( 本・雑誌 | 絵本

『グランド・フィナーレ』

グランド・フィナーレ『グランド・フィナーレ』 (講談社)
著:阿部和重

友人の薦めで、はじめて阿部和重の作品を読んだ。
作風も何も知らない状態で読み始めて、まったくの手探り状態。

この本には「グランド・フィナーレ」、「馬小屋の乙女」、「新宿ヨドバシカメラ」、「20世紀」の4つの作品が収められている。
ここでは主に表題作である「グランド・フィナーレ」について書きたいと思う。

物語は、一人の男を主人公に彼の目線で話は進んでいく。
読み進めていくと徐々にこの男自身の性格やおかれている状況などが見えてくる。
男はある理由で離婚し、現在は故郷に住んでいる。どうにかして娘を取りもどせないかと考えて一時的に上京し、そこに東京に住んでいた時の知り合い、YやI、元妻と自分との共通の友人である伊尻隼人などと会う。
さらに、そのあとには故郷に戻った後の男の暮らしぶりも描かれている。

起こっていることや行動などの話の展開は淡々と描かれているが、逆に男の考え・心情・思考には比喩などが多く用いられている。これは男の性格や論理的な試行によるものだが、読者にとってはなかなかとっつきにくい。しかし、そこがまた面白いところでもある。

たとえば冒頭は「可愛らしいピンク色のウサギと青色の子グマが手を繋いで横に並び、眼前に立ちはだかっている。」という文章から始まるのだが、かなり戸惑ってしまう。
そして読んでいると遊園地などにいる着ぐるみのウサギとクマが襲ってくるというような、どこかの映像で出てきそうなイメージが浮かんでくる。
このように男の内的思考は、読者の想像力をかき立てる表現や言いまわしが多く含まれている。
1冊読んだだけではわからないが、著者はこういった書き方が得意なのではと思った。

また話の区切り区切りの印象の変化がおもしろい。
ひと段落読み終わるごとにうける雰囲気や印象が変化していく。そして最後の段落ではじんわりと希望を抱けるような終わり方となっていて後味は悪くない。
物語の結末のその後がどうなったかということは読者の想像にゆだねられるのであるが。

しかし、どうしても中途半端な終わり方だなという印象はうけてしまった。
もしかしたら関連作品を読んだり、ほかのいろいろな作品を読めば印象が変わるかもしれないが、初読の素直な感想としてはそう感じてしまった。

「馬小屋の乙女」、「新宿ヨドバシカメラ」、「20世紀」は「グランド・フィナーレ」とはまた趣の違う話である。
「新宿ヨドバシカメラ」に関して言えば、森山大道の写真とのコラボレーション企画だったそうなのだが、その写真がついていなかったのが残念である。

最後に、自分がちょっとおもしろいと思った部分を、備忘録として引用しておく。

こちらが勝手に仮構した各々の人物像ばかりに支店の焦点を合わせて、適度にコミュニケートした気になっていただけなのだろうか。しかし誰もが多かれ少なかれ、そんなふうにしか他人とふれあえぬものではないか ……


ホームビデオを鑑賞する家族たちはそのとき、二つの映像を見ていることになる。画面に映し出された映像と、それを目にすることで呼び起される記憶の映像を。これを別の角度から捉えると次のように言い換えられる。映像とは、それ自体としてはただの風景と大差なく、映し出される出来事の意味は見る者の記憶に依存する。映画の面白さが人によって異なるのは、こうした事情のせいだ。




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(関連書籍)
シンセミア 4『ニッポニアニッポン』
著:阿部和重 (新潮文庫)

シンセミア 1『シンセミア 1』
著:阿部和重 (朝日文庫)

シンセミア 2『シンセミア 2』
著:阿部和重 (朝日文庫)

シンセミア 3『シンセミア 3』
著:阿部和重 (朝日文庫)

シンセミア 4『シンセミア 4』
著:阿部和重 (朝日文庫)




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コミュニティ( 本・雑誌 | ブックレビュー

『いいかげんに片づけて美しく暮らす』

いいかげんに片づけて美しく暮らす『いいかげんに片づけて美しく暮らす』 (集英社be文庫)
著:岩里祐穂

作詞家の岩里祐穂の著書。マンション暮らしや中古の家をリフォームした経験から彼女流の家づくりについて書かれている。
インテリアの本ということで、綺麗な写真も多数収録されている。
ただ、インテリア雑誌の感覚で手に取ると写真の数が少なく感じるかもしれない。

「いいかげんに片づける」といっても「散らかしっぱなしにする」という意味ではなく、‘いいかげん’は‘よいかげん(良い加減)’だという、片づけに対する一つの考え方を示してくれている本だと思う。

個人的には「とりあえずワゴン」や「ほうり込めばオッケーBOX」など、いいなと思うアイデアもいろいろとあった。

今住んでいる家や部屋がしっくりこないという人におすすめの一冊。



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コミュニティ( 本・雑誌 | ブックレビュー

『サラリーマン獣医 1000匹の犬と猫を救う』

サラリーマン獣医1000匹の犬と猫を救う『サラリーマン獣医 1000匹の犬と猫を救う』 (文芸社)
著:揚羽武

獣医師免許をもってはいるがまったく診察もしたことのない、ペットフード会社の会社員。そんなペーパー獣医の主人公、松村大介は獣医師免許をもっているということだけを理由にとんでもないことを任される。

任されたのは、とあるビルのオーナーが捨て犬、捨て猫をとにかく拾い集めて、全く世話もせずひどい状態にある通称動物村の面倒をみること。

ボランティアの人たちや、獣医界のブラックジャックK先生、他の獣医さんたちの協力を得ながら、犬猫の世話に奮闘する。

なかなかおもしろいストーリーでさくさく読んでいける。また読み進めていくと、さまざまな専門知識がけっこう詳しく書いてあり、犬猫の世話や病気についての知識が広がる。

こんな本が大学の獣医学科の教科書に使われたりしていたら、おもしろいかもしれない。獣医師や動物看護士に興味がある人、ペット・コンパニオンアニマルと生活している人、動物が好きな人にはお勧めの一冊だ。




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『アマリリス』

アマリリス『アマリリス』 (新潮文庫)
著:安西水丸

良くも悪くも気だるく渇いた物語が7編。それぞれにつながりはないが、どの話も基本的には舞台はニューヨークからはじまる話である。

主人公の「ぼく」とそれぞれの話にでてくるヒロインとの話が中心であり、淡々と様々な出来事が起こる。7編のなかで一番興味をもったのは「ジブラルタル」という話だが、これは単純にメインの舞台が個人的に興味のあるスペインであるというところが大きいだろう。

地名などがカタカナでたくさんでてくることで、読んでいると記号のように見えてきて、それがまた異国ということを強く感じさせる。さらにその記号の効果で夢のなかの出来事のように現実感のない印象も受ける。もちろんニューヨークに行ったことがある人や詳しい人は別であろうが。

また頻繁にでてくる性描写が、話全体のなかで象徴的に機能している。

ここからは感想に近いが、1話目を読んでみて、この本を買ったのは失敗だったとまで思うくらい個人的には興味をひかれなかった。その後読み進めていっても、1編1編はさして面白くなかった。しかし、ある程度読んだとき、この本は1冊で一つの作品なのだと思えるようになった。つまり1編1編ではなく全体としてみたときにこの本を面白いと感じたのだ。特に、最後の「ジプシー」という話が効果的に働いていると思う。




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